Black Economic Empowerment: The National Negro Business League
本コレクションは、米国議会図書館が所蔵するブッカー・T・ワシントン関係文書の中から、全米黒人実業連盟(The National Negro Business League, NNBL)関係のファイルを抜き出したものです。同連盟はワシントンが1900年にボストンに創設した全米最古の実業団体で、黒人の経済的な自立を支援するものでした。収録資料には、会議録、ワシントンと会員の間の往復書簡等、その活動の実態を記録する資料が含まれています。
全国黒人実業連盟は創立の翌年にニューヨークで法人化し、10年足らずの間に全米各地に320の支部を設立しました。連盟には企業経営者のほか、医者、弁護士、農場経営者、職人など、様々な専門家が加盟しました。
創始者のワシントンは、人種差別問題の解決の鍵は経済にあり、黒人が置かれた様々な問題を解決するには黒人が経済的に自立しなければならないと考えていました。連盟を創設したのも、「商売とお金の面で黒人が社会的に上昇するのを後押しする」ためであり、生涯にわたり会長として連盟の活動を続けました。
連盟は黒人実業家の経営と広告活動を支援し、巨大な購買力をもつ黒人に商品情報を届けるために黒人系の出版物で広告宣伝を行ないました。このようなワシントンの思想と行動はアンドリュー・カーネギーやジョン・ワナメーカー等、白人の有力者からも称賛を浴び、カーネギーは連盟の設立の際に資金援助を行なっています。
ブッカー・T・ワシントンは経済を重視した穏健派の指導者として、政治運動を重視したW・E・B・デュボイスらとは立場を異にしつつも、黒人運動の歴史に重要な足跡を残しています。
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- アメリカ史
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