Chile: Records of the U.S. Department of State, 1930-1963
本コレクションは米国国立公文書館が所蔵する国務省一般記録群(RG59)のセントラル・ファイルの中から、米国国務省のチリ国内事情に関する外交文書約145,000ページを収録するものです。収録文書は米国国務省在外公館の外交官が国務省と交わした往復書簡です。
収録文書は米国国立公文書館のファイリング・システムに準じた文書番号が付与されています。国務省一般記録群(RG59)は、1910年から1963年まで十進分類法に則ったファイリング・システムによって整理されていたため、デシマル・ファイル(Decimal File)と呼ばれています。このシステムでは文書番号は、大分類番号(Class Number)+国番号(Country Number)+小分類番号(Subtopic Number)で構成されています。収録文書の大半は文書番号725,825,925が付与されたものです。文書番号725は Class Number 7(Internal Political and National Defense Affairs)と Country Number 25(Chile)を合わせたもので、チリの内政・国防事情を、文書番号825は Class Number 8(Internal Economic, Industrial, and Social Affairs)と Country Code 25 を合わせたもので、チリの国内経済・産業・社会事情を、文書番号925は Class Number 9(Communications, Transportation, Science)と Country Code 25を合わせたもので、チリの通信・交通・科学を意味します。
※ Class Number の上記の定義は1950年以後のものです。1949年以前の定義は Class Number 7 が Political Relations of State で、Class Number 8 は Internal Affairs of States です。
1930年代と1940年代のチリでは、中間層を支持母体とする中道政党の急進党が政界の中心にありました。1938年の選挙で急進党と社会党と共産党の連合によって成立した人民戦線政府においても急進党が中心的な役割を担いました。急進党の下でチリは保護貿易と海外の投資資金を原資とする輸入代替工業化政策を推進します。しかし、1950年代になるとインフレや国際収支の悪化により経済は停滞し、急進党は支持を失い、政権を獲得した右派政党が経済の自由化を推進しました。
収録文書ではイギリスとチリの硝石採掘合弁企業、銅生産の危機に関する国務省の懸念、電力会社の労働者によるスト中止命令の拒否と軍隊の厳戒態勢、大学への補助金給付を要求するコンセプシオン大学の学生ストライキ、カトリック教会の農地改革等、政治、経済、産業、労働から社会、教育、科学までチリの国内事情が幅広く取り上げられています。
(マイクロ版タイトル:Records of the Department of State Relating to the Internal Affairs of Chile, 1930-1963)
さらに詳しく
関連分野
- ラテン系・ラテンアメリカ研究