La Guerra Civil Española (The Spanish Civil War Collection)
1936年の総選挙によって成立した人民戦線政府が左翼的政策を断行すると、フランコ率いる軍部と右派勢力が政府に反乱を起こし、スペインは内戦に突入しました。ソ連とドイツ、イタリアがそれぞれ共和国政府、反乱軍を支援する形で介入する一方で、各国の知識人や作家が国際義勇軍を編成して共和国政府を支援、国際化の様相を呈したスペイン内戦は後に第二次大戦の前哨戦として歴史的に意味づけられます。内戦は最終的にフランコが勝利を収め、フランコ独裁政権が誕生しました。
本コレクションは、スペイン内戦期の1936年から1939年に発行されたパンフレット約3,000点を収録します。共和主義者、社会主義者、共産主義者、ファランへ党、無政府主義者、カトリック、地域政党など、スペイン内戦に参加した様々な勢力、党派、国外に亡命したスペイン人の出版物のほか、ディエゴ・マルティネス、ファン・ネグリン・ロペス、インダレシオ・プリエト、ホセ・アントニオ・プリモ・デ・リベラら著名人の出版物も収録されています。共和国軍が包囲するアルカサルに籠城していたときにファランへ党が発行したパンフレットや新聞など、もともと少部数で印刷され、検閲や戦争のため多くが紛失した稀少な出版物が多数含まれています。スペイン国内で発行されたものだけでなく、ポルトガル、ヨーロッパ諸国、アメリカ、ラテンアメリカ諸国、フィリピンなど、世界各国で発行されたパンフレット(スペイン語のほか、英語、フランス語、ドイツ語など)を含む本コレクションは、世界各国の人々が関心を示したスペイン内戦の国際的性格を浮き彫りにします。
本コレクションを収集したハーバート・サウスワース(Herbert Rutledge Southworth)は、アメリカのジャーナリストで、スペイン内戦時は『ワシントン・ポスト』にフランコを批判する記事を寄稿するなど、共和国政府を支援しました。内戦後は共和国政府のアメリカ駐在大使を歴任したフェルナンド・デ・ロス・リオスの私設秘書を務めるかたわら、フランコ独裁のスペインを批判する書物を出版するなど、スペインの専門家として注目を集めました。本コレクションは、サウスワースが収集し、現在カリフォルニア大学サンディエゴ校に所蔵されるスペイン内戦期の書籍、パンフレット、雑誌、ポスター、手稿など、約13,000点の中から、3,000点のパンフレットを収録します。
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関連分野
- 西ヨーロッパ研究
- 第二次世界大戦