Liberia and the U.S.: Nation-Building in Africa, 1864-1935
本コレクションは米国国立公文書館所蔵の国務省在外公館文書(RG 84)よりリベリア関係の文書を年代別の2部(1864-1918年/1918-1935年)にわけて収録します。
西アフリカ海岸のリベリアは、アメリカ合衆国の解放奴隷・自由黒人の移住先として作られた植民地にルーツをもつ特殊な共和国です。先行するイギリスによるシエラレオネ半島への解放奴隷植民に着想を得たアメリカ植民地協会(ACS)と連邦政府により植民計画が進められ、1822年には最初の一団が定住を開始、1840年代より現地住民に権限が移行され、1847年にはアフリカ初の独立共和国となりました。合衆国による正式承認は南北戦争勃発後の1862年になされました。
当初リベリアの国内政治はアメリカ系住民により牛耳られ、第10代までの大統領は全員がアメリカ合衆国生まれ、1980年のクーデターまではアメリカ系を優遇する真正ホイッグ党(True Whig Party)が政治を独占しました。非アメリカ系の現地住民は1904年まで市民権を持たず、1946年まで投票権も与えられませんでした。
経済面においては、リベリアはイギリスによる植民地化の進む西アフリカ地域における親米国として対米貿易を重視、パーム油、ゴム、綿、砂糖、コーヒーなどを輸出しましたが1870年代には産品の価格下落により財政危機に陥り、合衆国による介入と軍事威嚇によりかろうじて大英帝国への編入を逃れました。第一次大戦中には連合国側に基地を提供、1926年にはアメリカのファイアストン社による4000平方キロメートル以上の土地の租借を許すなど、合衆国へのゴム供給源としての戦略的重要性を高めました。
本資料は1864年から1935年までの在リベリア・アメリカ合衆国領事館による報告・覚書等を2部にわけて収録するもので、米国との外交・貿易関係、国内産業、奴隷制・強制労働、国内問題、財政・金融、第一次大戦、対英・対仏などの外交関係、犯罪・麻薬、黄熱病・感染症、宗教・宣教活動など多彩な主題に関する貴重な資料群です。
以下の2部より構成されます。
- リベリア関係 米国務省文書集 1864-1918年 Liberia and the U.S.: Nation-Building in Africa, 1864-1918
- リベリア関係 米国務省文書集 1918-1935年 Liberia and the U.S.: Nation-Building in Africa, 1918-1935
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