米大衆誌『リバティー』歴史アーカイブ 1924-1950年
Liberty Magazine Historical Archive, 1924-1950
狂騒の1920年代に創刊され、大恐慌、第二次大戦、戦後を通じ高い人気を博した週刊大衆雑誌『リバティ』の創刊から終刊までを収録するデータベース。
『リバティ』は1924年、タブロイド紙『ニューヨーク・デイリー・ニュース』発行人のジョゼフ・パターソンと『シカゴ・トリビューン』発行人のロバート・マコーミックの二人の新聞人によって創刊されました。
「万人のための週刊誌(A Weekly Periodical for Everyone)」との副題を掲げたように、『リバティ』がターゲットにしたのは大衆です。各記事の冒頭に「5分40秒」のように通読時間を記載するなど、多忙な現代人のための雑誌を目指しました。
『リバティ』に寄稿した作家、批評家には、ジャズ・エイジの旗手F・スコット・フィッツジェラルド、アメリカ人として初めてノーベル賞を受賞したシンクレア・ルイスのほか、セオドア・ドライサー、ジョン・ドス・パソス、マーガレット・ミッチェル、H・L・メンケン、アガサ・クリスティ、エドガー・ライス・バローズ、バーナード・ショー、H・G・ウェルズ、P・G・ウッドハウス、ウォルト・ディズニー、ドクター・スースら、名だたる有名作家・アーティストが含まれます。
『リバティ』はまた、エンターテインメント小説の宝庫でもあり、これらを原作として100 作を超える映画が生まれました。映画、野球、ボクシング、ミュージカル、ジャズ、サーカス、ミステリー、大衆小説などのエンターテインメントから、新しい女性たちの社会風俗、さらには犯罪まで、20世紀前半のアメリカの大衆文化と社会風俗を活写しています。
映画俳優、ミュージシャン、スポーツ選手ら有名人(セレブ)のコンテンツも数多く、記事の主題として有名人が取り上げられたばかりでなく、みずから一文を寄せた有名人も少なくありません。
音楽では、1940年代後半に掲載された "Records" 欄に、フランク・シナトラ、ビング・クロスビー、ルイ・アームストロングら、有名ミュージシャンがレコード・アルバムの短評を寄せています。
私生活を綴った記事や自伝、回想録で取り上げられた有名人は、チャーリー・チャップリン、イングリッド・バーグマン、バーナード・ショー、コナン・ドイル、ウッドロー・ウィルソン、セオドア・ルーズベルトなど、俳優、歌手から作家、スポーツ選手、政治家まで及びます。
社会風俗面では、古い因習や規範に縛られない若者文化も積極的に取り上げ、元祖「フラッパー」のコリーン・ムーアや、セックス・シンボルとして一世を風靡したクララ・ボウなどの有名女優をフィーチャーする一方で、断髪、喫煙、美容整形など女性の間に広がった流行にも光を当てています。
空前の繁栄に沸いた20年代から大恐慌に見舞われた30年代を経て戦中戦後の40年代まで、現代アメリカの大衆文化の証言者として『リバティ』は不朽の価値を持っています。
主なトピックと代表的な記事
- ブロードウェイ
”ブロードウェイの父” ジョージ・コーハンの自伝、1927年初演の『ショーボート』のレビューなど。 - ベースボール
タイ・カップ、ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグ、ジョー・ディマジオ、ジャッキー・ロビンソンらのスター選手が球界で活躍した時代。ベーブ・ルースが引退後に寄稿した「過去の人と言われて」。 - 映画スター
黄金時代のハリウッドより、チャーリー・チャップリン、クラーク・ゲーブル、ロバート・テイラーなど、自ら『リバティ』に一文を寄せたスターも少なくない。
グレタ・ガルボ「私はなぜ結婚しないのか」 - ジャズ
グレン・ミラー、ベニー・グッドマンら、スウィング・ジャズの全盛期。カーネギー・ホール・コンサートの2ヶ月後にグッドマンが寄稿した「スウィングは本当のところ、人々に何をもたらすのか」 - サーカス
「地上最大のショー」で知られるリングリングサーカス団。空中ブランコ曲芸師のリリアン・ライツェルが公演中の落下事故で死亡したときの「スターダムの代償」。 - 政治家
ヒトラーの別荘の使用人だったポーリン・コーラーによる「ヒトラーの別荘での日々」、チャーチルの首相就任直後の「ウィンストン・チャーチルとアメリカ人の母親」、ガンジーの語った「私の性生活」など。 - フランクリン・ルーズベルト
小児麻痺という身体的ハンディを不安視する声も多かったルーズベルトにインタビューを行ない、医者の診断結果も紹介しながら、不安要素はないとの結論を下した。 - ウォルト・ディズニー
ディズニー社の創立(1923年)とほぼ同時期に創刊された『リバティ』はディズニーの創作活動を追い続けた。『白雪姫』とミッキーマウスの誕生のエピソードを紹介する記事など。 - コメディアン
喜劇の黄金時代にあって、チャップリン、ハロルド・ロイド、マルクス兄弟、ハリー・ラングドン、マック・セネットなどコメディアン、喜劇映画の話題も豊富。1927年に書かれた記事はハロルド・ロイドが最も稼ぐ俳優であることを紹介している。 - ヒーロー
映画は映画スターとともに、架空のヒーローを生んだ。現代アメリカの大衆的ヒーローの原型とも言うべき存在がターザンとスーパーマン。エドガー・ライス・バローズの連載「ターザンとライオン・マン」、漫画キャラクターのスーパーマン秘話。
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関連分野
- 人文・芸術
- ジェンダー・女性研究
- 社会学
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- アメリカ史
- 第二次世界大戦
- スポーツ
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