Political Relations and Conflict between Republican China and Imperial Japan, 1930-1939: Records of the U.S. State Department
1930年代の国民党と共産党の対立は、中国における自国の権益を維持するという日本にとって好都合な状況を作り出しました。日本は満州を無尽蔵の原料供給地、大恐慌による保護関税のために西洋諸国の市場から排除された自国の工業製品の市場、シベリアのソ連から自国を守るための緩衝地域と見做していました。1931年9月の満州事変以後、5ヵ月間の戦闘を経て、清朝最後の皇帝、溥儀を元首とする傀儡国家、満州国を建国するにいたりました。その後の単発的な戦闘を経て、1937年7月の盧溝橋事件を発端として日本は中国との戦争に突入しますが、盧溝橋事件の直後の第二次国共合作により、国民党と共産党による抗日戦線が成立し、日本側の当初の想定に反して、戦争が長期化、泥沼化の様相を呈するにいたったことは周知の通りです。
本資料は、1930年代の日中間の外交関係並びに紛争に関する米国国務省文書を収録します。具体的には、外交官、領事館員による訓令や至急報、国務省内部文書、国務省と他の連邦政府の省庁、議会、民間人、民間機関との間で交わされた書簡、電報、各種報告書を収録します。
本資料は1930年代の日中関係、東アジアの国際関係の研究だけでなく、日本の侵略と満州国、中国最後の皇帝溥儀と満州国、軍事的残虐行為と日中戦争、中国の軍閥、中華民国と共産主義といった研究テーマに対しても貴重な学術情報を提供します。
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