Shanghai Municipal Council: The Municipal Gazette, 1908-1942
上海ではアヘン戦争後の1845年、イギリスが自国民の居住と商業活動のための地域として祖界を創設、アメリカとフランスも租界を設置、中国の主権が及ばない治外法権地域が拡大しました。1863年、イギリス租界とアメリカ租界の合併に伴い、共同租界が誕生します。租界地域で商業活動を営む欧米人により土木関係行政機関として1854年7月11日に創設された工部局(Municipal Council)は、以後統括範囲を拡大、第二次大戦中に共同租界が廃止されるまで、常設行政機関として共同租界の日常業務とインフラを運営しました。
工部局は土木、財務、税務、衛生、警察等の部局の他、図書館やオーケストラをも傘下に擁し、大半の部局のトップはイギリス人で占められていました。工部局員と議長は毎年、納税者総会で選出されました。工部局はイギリス人が最多数を占め、大半の部局のトップもイギリス人で占められました。外国人が主体となって運営された工部局に共同租界に居住する中国人が加入することを認められたのは1928年以降のことです。
本コレクションは工部局の官報『The Municipal Gazette』を提供します。毎週金曜日に発行された官報の収録内容は、共同租界居留民への広報、理事会議事録、予算、収支報告、犯罪報告、衛生報告、消防報告等の各種報告書、工部局の政策や指令から、治安、教育、裁判、衛生、人事、公共事業入札、読者の投書まで、工部局の租界行政全般におよびました。また、人口統計、犯罪統計等、統計データが充実しているのも特徴です。
本コレクションは、創刊の1908年の創刊号から1942年の最終号まで完全な形で収録します。
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