Spiro T. Agnew Case: The Investigative and Legal Documents
スピロ・セオドア・アグニューはリチャード・ニクソン政権で副大統領を歴任した政治家です。1968年の大統領選挙で共和党の大統領候補のニクソンから大方の予想に反して副大統領候補に指名された時は、驚きをもって迎えられました。しかし、大統領選や副大統領時代に見せた保守主義の理念への忠誠や反戦運動への容赦ない攻撃姿勢は、まさに法と秩序を重視するニクソン大統領の副大統領に相応しいものでした。
アグニューはウォーターゲート事件に連座することはなかったものの、収賄、恐喝、脱税、共謀など、多くのスキャンダルを抱えていました。ニクソン政権二期目の1973年に捜査の手が及ぶと、アグニューは自身の潔白を主張したものの、任期半ばで辞任に追いやられました。起訴内容について争わない不抗争の答弁による司法取引が成立し、罰金と保護観察なしのプロベーションを課されたアグニューは、失意の中で政界を引退しました。
本データベースは、歴代副大統領の中で最も物議を醸したと評されるアグニュー副大統領の汚職事件に関わる司法文書、捜査資料、裁判資料、アグニューの個人文書、新聞・雑誌記事を電子化して提供するものです。アグニュー事件では、汚職事件としては詳細な証拠物件が出揃ったと言われています。政権ナンバー2が政権を支える司法省の手で捜査・訴追され、辞任に追い込まれたという点で、政治家の汚職事件の歴史の中でも特筆すべき事件を記録した歴史資料として貴重なものです。
(マイクロ版タイトル:Spiro T. Agnew Case: The Investigative and Legal Documents)