The Carter Administration and Foreign Affairs
第39代米国大統領ジミー・カーターは、政府というものはアメリカ人の期待に応えるべく、しかるべき能力を発揮し、国民に対して思いやりのある存在でなければならない、との信念を持っていました。カーター大統領の業績は顕著なものであったものの、原油価格の上昇とそれに伴うインフレの加速、ソ連のアフガニスタン侵攻やイランでのアメリカ大使館人質事件等の国際紛争など、困難な課題に立ち向かわなければならない中で、その信念を貫き通すのが難しい状況へと追い込まれました。
カーター大統領は国際問題では法の支配を説き、人権外交の推進において米国が先頭に立つべきであると考える一方で、超大国としての力の行使には慎重でなければならず、他国に対する軍事的介入は回避すべきであると考えていました。ソ連については、関係改善を志向し、両国の経済と軍縮における合意が冷戦の緊張を緩和するとの期待を持っていました。
本コレクションは、カーター政権が直面した国際問題に関する文書を提供するものです。中東和平とキャンプ・デービッド合意、NATOと緊急展開部隊、人権、米中関係、パナマ運河条約、第二次戦略兵器制限交渉(SALT II)、ソ連の侵攻後のアフガニスタンへの秘密介入、在テヘランアメリカ大使館人質事件等が取り上げられています。収録文書は、ホワイトハウス・セントラルファイル(White House Central File)です。ホワイトハウス・セントラルファイルは、大統領と大統領スタッフにより共有された文書ファイル集で、大統領とスタッフ間の往復書簡、大統領やスタッフと連邦政府省庁、連邦議会議員等の往復書簡等、ホワイトハウスが関わった文書を含みます。本コレクションは、ホワイトハウス・セントラルファイルの中から外交問題の主題ファイル(Foreign Affairs Subject File)を収録します。ホワイトハウス・セントラルファイルの主題ファイルは、ホワイトハウスが議会、州政府、外国政府、民間企業、個人らと交わした往復書簡や報告書、覚書を収録します。収録文書はすべて「FO 1」「FO 2」のように「FO」の文字が付与されていますが、これは「Foreign Affairs」の略です。ホワイトハウス・セントラルファイルの手引によれば、FO(Foreign Affairs)のカテゴリーには、国際関係に関する文書、外国や外国政府に関する計画、政策、手続、プログラムに関する文書が含まれます。
(マイクロ版タイトル:Jimmy Carter and Foreign Affairs. Part 1: White House Central Files; Section 1: Foreign Affairs )
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