The Greensboro Massacre, 1979: Shootout between the American Nazis and the Communist Workers Party
1979年11月、ノースカロライナ州グリーンズボロで黒人労働者と共産主義労働者党が白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)に対する抗議集会を計画しました。数か月前に、グリフィスの『国民の創生』が上映された際、黒人を差別し、KKKを称えた映画の上映に抗議し、上映を妨害した時から、両者は罵倒し合い、不穏な空気が流れていました。抗議集会が開かれた1979年11月3日、集会が開かれた黒人用公営住宅にKKKの団員とナチス支持者を乗せた車の一団が襲い掛かり、集会参加者の方も投石などで応酬、銃撃戦となり、抗議者側の4名が死亡し、11名が負傷しました(負傷者のうち1名は後日死亡)。白人至上主義者のフレイジア・グレン・ミラー(Frazier Glenn Miller)は、最初の発砲は抗議者サイドの拳銃によるものだったと主張しましたが、KKKの団員マーク・シェーラー(Mark Sherer)が最初に発砲したとの複数の証言もありました。
この銃撃戦では警察の役割にも注目が集まりました。通常はこのような集会の現場にいるはずの警官が一人もいなかったため、加害者の逃亡を許すことになったこと、私服の刑事や警察のカメラマンは現場にいたものの、介入しなかったことから、警察の行動に疑念の目が注がれました。また、集会の2日前にKKKの団員の一人が警察署に行き、集会場所の地図を入手し、KKKやナチス支持者の組織に潜入していたアルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局の諜報員が、彼らが集会を襲撃する計画であることを知っていたと証言するなど、警察からKKKやナチス支持者側に情報が漏れていた可能性も指摘されています。事件後、16名のKKK団員とナチス支持者が逮捕され、起訴されましたが、全員白人の陪審では容疑者は全員無罪の評決が下されました。
本コレクションは、連邦捜査局(FBI)、州警察、郡警察、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局、司法省公民権局の文書を集めたもので、抗議集会を組織した共産主義労働者党の動機、銃撃事件、事件の捜査、悲劇に襲われた地元社会を救済する様々な試みに焦点を当てます。
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