U.S. Middle East Peace Policy and America's Role in the Middle East Peace Process, 1989-1993
本コレクションは、ホワイトハウスの各種オフィスで作成されたジョージ・ブッシュ政権時代の記録を収集したものです。書簡、覚書、新聞記事、論文、議会、連邦省庁、政権高官からの各種報告等で構成される記録は、米国の中東和平政策と中東和平プロセスにおける米国の役割を克明に証言しています。書簡のコレクションには、ユダヤ人、イスラーム教徒、キリスト教徒の利益集団のメンバーの書簡から、上院議員、下院議員、民間人の書簡まで、夥しい数の書簡が含まれ、イスラエル・パレスチナ関係、ユダヤ人入植のための対イスラエル借款、中東における米国の人道的支援、エルサレムにおけるイスラエルの分断、ヨルダン川西岸やガザ地区、その他「占領地域」、「入植地」と見なされている地域の分断を巡って、ある者は懸念を、ある者は支持を表明しています。これらは、米国のイスラエル政策や中東和平政策に影響力を及ぼすことを狙ったものです。これらの書簡にはしばしば、表明されている見解を支える資料として新聞記事や各種報告が同封されましたが、これらの同封資料も収録されています。さらにこれらの書簡に対しては、ホワイトハウスから返信が送られることも珍しくありませんでした。返信書簡は、国務省やホワイトハウス議会関係局のメンバーにより起草され、返信書簡起草の際、各種覚書、カバーシート、配信先リスト等の行政文書が作成されます。本コレクションには、往復書簡の他にこれらの文書も収録されています。国家安全保障会議、ホワイトハウス法律顧問局(Counsel’s Office)、公共連絡局(Office of Public Liaison)の記録は、中東和平を巡る行政機関の連携の実態を明らかにしてくれます。米国の中東和平政策を巡っては、これまで政権内の一連の政策プロセスで残された資料群の公開に止まり、政策自体の形成過程を明らかにする資料群はほとんど利用できませんでした。
本コレクションはその欠落を埋めるべく、政権の外部から政権へ宛てて送られた膨大な書簡と付属資料と返信書簡に光を当てることで、冷戦終結後の米国の中東和平政策の起源に迫るものです。
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- 中東研究