U.S. Relations with the Vatican and the Holocaust, 1940-1950
本コレクションは、第二次大戦前後のローマ教皇ピウス12世(在位1939-1958年)とバチカンに関する米国国務省文書を収録するもので、バチカンと米国との関係、第二次大戦における教皇庁の役割、イタリアの反ユダヤ立法、ユダヤ人難民、教皇とホロコーストなどのテーマを考察するうえで貴重な資料群です。
ピウス12世とホロコーストの関係は長く議論の的となっており、教皇がホロコーストに対して沈黙したと主張する識者もあれば、一部のユダヤ人を救ったとする学者もいます。
ピウス12世はヒトラーとナチスドイツに対して控えめな批判しかしなかったものの、ハンガリー、ルーマニア、スロバキアなど周縁の枢軸国に対して、有効とみられる場合に直接外交圧力をかけることもありました。また、ピウス12世の内密の指示や道徳的支援のもとで各地のカトリック教徒によって取られた行動も知られています。
本コレクションは、1939年末にマイロン・テイラー(Myron Taylor)が在バチカン・アメリカ大統領特使に任命されて以降、テイラーとその部下が米国政府、バチカン、イタリア政府などと交わした各種通信、報告、書簡、分析、会談メモなどを収録するもので、政治情勢、ユダヤ人迫害、難民救済、ローマのドイツ資産、バチカン銀行、枢軸国の外交官、戦争犯罪者、宗教関係資料など豊富な内容が含まれています。
研究トピックの例:
- 難民救援活動と組織
- バチカンの枢軸国外交官
- イタリアの強制収容所
- ハンガリー、チェコスロバキア、東ヨーロッパ
- バチカン銀行の活動
- 移民
- 戦争犯罪
- 都市の爆撃
- 文化財と戦争
- クロアチアとバチカンの関係
- プロテスタントとカトリックの関係
- イタリア暫定政府
- カトリック教会
- イタリアのファシズムと教会
- 戦争捕虜
(マイクロ版タイトル:US Relations with the Vatican and the Holocaust, 1940-1945)
さらに詳しく
関連分野
- 東欧・ロシア研究
- ユダヤ・ホロコースト研究
- 西ヨーロッパ研究
- 政治学・外交研究
- 宗教・哲学
- 神学・宗教研究
- 20世紀研究
- 第二次世界大戦
- 人権・移民法