Foreign Relations between the U.S. and Latin America and the Caribbean States, 1930-1944
本コレクションは米国国立公文書館が所蔵する国務省一般記録群(RG59)のセントラル・ファイルの中から、米国国務省の1930年から1944年までの米国と中南米カリブ海沿岸地域の関係に関する外交文書約82,000ページを収録するものです。収録文書は米国国務省在外公館の外交官が国務省と交わした往復書簡で、メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、ベネズエラ、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチン、キューバ、ハイチ、ドミニカ共和国の中南米20ヵ国と米国の外交関係に関する文書が収録されています。
1930年代、米国と中南米・カリブ海沿岸諸国の関係は劇的に変化しました。ヨーロッパとアジアで戦争の暗雲が立ち込める中、米国は中南米諸国に対する影響力を維持するために、直接的軍事介入に代わる手段として外交や経済や文化面での関係強化を模索するようになりました。
対中南米外交の歴史的転換を画したのがフランクリン・ルーズベルト大統領の善隣政策で、1933年12月にウルグアイのモンテヴィデオで開催された米州会議で内政不干渉を米国外交の原則として宣言しました。この政策の具体化として、ハイチとニカラグアから海兵隊を撤退させる一方で、中南米諸国との貿易を促進するために互恵通商協定を締結しました。また、米西戦争後、条約締結や借款契約の権利を制限するなど、キューバを米国の保護国的地位に置いたプラット修正条項(Platt Amendment)を廃止しました。メキシコとの間では、米国石油企業の資産国有化に対する補償を求める交渉を行ないました。
文化面では、ラジオ番組『ビバ・アメリカ(Viva America)』やディズニー映画『ラテンアメリカの旅(Saludos Amigos)』等のソフトパワーが中南米諸国における米国イメージ改善に大きく寄与しました。これらの政策が奏功し、第二次大戦末期には中南米地域は世界で最も米国の外交政策を支持する地域と見なされるようになりました。
※関連資料 ラテンアメリカ・カリブ諸国間外交および域外諸国との外交に関する米国務省文書集 1930-1944年 もあわせてご検討ください。
(マイクロ版タイトル:Records of the Department of State Relating to Political Relations Between the U.S. and Latin America and the Caribbean States, 1930-1944)
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関連分野
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