The Revolution in Honduras and American Business: The Quintessential "Banana Republic"
本コレクションは米国国立公文書館が所蔵する国務省一般記録群(RG59)のセントラル・ファイルの中から、米国国務省のホンジュラス国内事情に関する外交文書約24,500ページを収録するものです。
収録文書は米国国務省在外公館の外交官が国務省と交わした往復書簡で、米国国立公文書館のファイリング・システムに準じた文書番号が付与されています。国務省一般記録群(RG59)は、1910年から1963年まで十進分類法に則ったファイリング・システムによって整理されていたため、デシマル・ファイル(Decimal File)と呼ばれています。このシステムでは文書番号は、大分類番号(Class Number)+国番号(Country Number)+小分類番号(Subtopic Number)で構成されています。本コレクションに収録される文書の大半は文書番号815が付与されたものです。文書番号815は Class Number 8(Internal Affairs of State)と Country Number 15(Honduras)を合わせたもので、ホンジュラスの内政事情を意味します。
19世紀末以降、ホンジュラスから米国へのバナナの輸出が拡大し、多くの米国企業がバナナ貿易に従事しました。これらの米国企業はバナナの栽培と安定的な供給のためにホンジュラスでプランテーションを経営し、輸送手段確保のために鉄道の敷設や道路の建設を行ないました。中でもユナイテッド・フルーツ社は競合会社の合併を通して規模を拡大し、栽培から輸送まで統合したバナナ産業の最大手として業界に君臨しました。その一方で、貿易が拡大するのに伴い、米国政府はホンジュラスの政情不安に重大な関心を寄せるようになり、国内紛争の激化により米国企業の利害が脅かされることを防止するために、ホンジュラス近海に軍艦を派遣するなど、介入の姿勢を示すようになりました。
本コレクションの収録文書の多くはホンジュラスの政情不安や隣国ニカラグア、エルサルバドル、グアテマラとの国境紛争、これらの隣国やメキシコからの革命運動の流入、第一次大戦時のホンジュラスにおけるドイツ人の活動、1924年の内戦時における米国民保護を目的とした海兵隊の上陸、国務省の特使サムナー・ウェルズ(Sumner Welles)による内戦調停の試み、米国からホンジュラスへの武器・弾薬の輸送、断続的に発生する革命運動、大統領選等、ホンジュラスの国内政治に関するものです。また、米国による債務調整、J・P・モルガン商会等米国銀行との融資交渉、フルーツ企業による融資、対外債務返済等の経済金融問題に関する文書も多く含まれています。
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関連分野
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