War on Poverty: Office of Civil Rights, 1965-1968
ジョンソン政権の「偉大な社会」計画が推進した数多くの政策プログラムの中でも、貧困対策は計画の基幹をなす看板プログラムとして位置付けられていました。「貧困に対する戦争(War on Poverty)」と名付けられたプログラムは、貧困と人種的不正の根絶を目標として掲げ、1964年制定の経済機会法(Economic Opportunity Act)において法整備を行ない、政権発足直後から実行に移されました。反貧困プログラムの実施に際しては、全国一律ではなく、地域の実情に即した地域主体の貧困対策が組み立てられ、経済機会法を受けて設立された経済機会局がこれを監督するという形で進められました。
経済機会局を運営するに当たっては、所得の増加に止まらず、教育、職業訓練、地域支援が、最善の貧困対策であるとの理念が政策立案者の間で共有されていました。「偉大な社会」計画の最も重要な成果は公民権運動の要求を法制化することに成功したことであると、現代の歴史家は評価しています。
本コレクションは、経済機会局の公民権担当次長(Assistant Director for Civil Rights)、モーリス・ドーキンス(Maurice Dawkins)の活動を記録した文書を提供することで、貧困戦争における公民権プログラムが実施されたプロセスに光を当てるものです。
南部キリスト教指導者会議、公民権調整官会議、全米黒人地位向上協会、全米都市連盟会議、黒人中産階級女性会議、全米法曹協会等、公民権運動と関わりの深い団体の会議録の他、職業訓練部隊(Job Corps)に関する経済機会局報告、公民権に関する司法省タスクフォース、貧者の行進(Poor People’s Campaign)と経済機会局、雇用機会均等と米国人事委員会(U.S. Civil Service Commission)等の各種報告書、地域公民権調整官の文書等を収録します。
収録文書は、米国国立公文書館所蔵のRG 381, Records of the Community Services Administration, Records of the Office of Civil Rights, Program Records of the Assistant Director for Civil Rights, November 1965-December 1968, MLR Entry 1005の文書で構成されています。
(マイクロ版タイトル:The War on Poverty and the Office of Economic Opportunity; Part 1: Records of the Office of Civil Rights 1965-1968)
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