Service Lists and Reports of the Chinese Maritime Customs Service and Whangpoo Conservancy Board
長江はその河口付近に砂泥が堆積し、砂州を形成していました。そのため、航路の安全な確保が難しく、船舶の航行にとって大きな自然の障害となっていました。イギリスをはじめとする列強各国は、長江の支流黄浦江沿岸に位置する上海を拠点に貿易を拡大するために航路の改修を進めようとしますが、大型船の自由な航行を阻む浅瀬を外国の軍事行動を阻む天然の要害と考える清朝政府との間に利害の大きな隔たりがあり、航路改修作業を軌道に乗せることはできませんでした。
しかし、義和団事件後に列強と清朝の間で調印された北京議定書の付属条項に「黄浦江航路の改善に関する規定」が盛り込まれるに及び、航路改修事業はようやく進捗します。この規定に基づき、1905年に黄浦河道局(Whangpoo Conservancy Board)が設立され、上海道台と上海税務司の共同管理下に置かれました。黄浦河道局は上海港に関する各種報告書を編纂し刊行しました。
本コレクションは、中国海関職員の氏名や職務を記載した名簿、黄浦河道局の報告書、黄浦河道局設立以前に中国海関により作成された航路改修に関する報告書を提供します。
《関連エッセイ》
「中国海関の紹介 1854年~1949年」リチャード・S・ホロウィッツ(日本語訳)
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