The U.S. and Castro's Cuba, 1950s-1970s: The Paterson Collection
本コレクションは冷戦史、米・キューバ関係史の専門家トマス・G・パターソン(Thomas G. Paterson, 1941- )が25年以上の期間をかけて蒐集した米・キューバ関係に関する一次資料を収録します。
収録文書の大半は米国政府省庁の書簡、電信、日誌、諜報、会議録、軍事報告等の公文書です。首都ハバナの米国大使館が国務省に送付した週報(weekly reports)は国務省の Foreign Relations of the United States (FRUS) に収録されていない貴重な文書です。米国の政治家、利益団体、労働組合、経済界、親キューバ系団体、亡命キューバ人組織の文書は、米・キューバ関係と米国国内政治がどのように関わっていたかを明らかにする重要な文書です。
その他、ジャーナリストの文書からは米・キューバ関係のマスコミによる報道が、一般人が政治家やホワイトハウスに送った書簡や世論調査からはキューバに関する米国世論の動向が、企業や経済関係省庁の文書からはキューバにおける米国企業、キューバ革命後の米国企業資産の国有化、米国企業による補償請求の実態が、それぞれ浮かび上がります。米・キューバ関係の当事者への取材等のオーラルヒストリー、人物素描、輸出入統計、亡命キューバ人団体のキューバ学生理事会(Cuban Student Directorate)発行の The Cuban Report、政府高官、政治家、ジャーナリスト等によるキューバ訪問記が収録されているのも見逃せません。
収録文書のうち、公文書には機密指定解除文書が多く含まれていますが、パターソンは情報公開制度を活用し、中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、国務省等の連邦政府省庁や大統領図書館の機密文書の開示請求を行なうことでこれらの文書を入手しました。
本コレクションには、米国政府の文書の他に、キューバ、英国、カナダ、国連等の文書が含まれており、国際的な視点から米・キューバ関係に光を当てることもできます。
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関連分野
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- 政治学・外交研究
- 20世紀研究