China and the Modern World: Hong Kong, Britain, and China, Part I: 1841–1951*
*Part II(香港編 第2部)のリリースにともない、商品名が「Hong Kong, Britain, and China 1841-1951」より変更になりました。
- 2023年7月28日に本商品を含む、香港関係イギリス政府文書の3アーカイブをご紹介する無料ウェビナーを開催します!
中国近現代史シリーズ 第4集は、「香港編 第1部」として英国国立公文書館が所蔵するイギリス植民地省旧蔵の香港植民地関係ファイル(CO 129: War and Colonial Department and Colonial Office: Hong Kong, Original Correspondence)を収録するものです。また、最新技術であるHTR(Handwritten Text Recognition 手書文字認識)を適用することで、筆記体による手書き文書の多い19世紀文献をフルテキスト検索することが可能になり、書誌情報からは予測ができない意外な発見への道を開きます。
CO 129 は、香港総督以下の香港政庁と植民地省との往復文書や総督の急送文書に加え、外務省、内務省、陸軍省ら、その他の省庁の文書を収録しており、1841年から1951年までの110年間にわたる植民地香港の歴史をたどります。オリジナル文書は1926年まで年代順にファイリングされてきましたが、1926年以降は主題別にファイリングされるようになりました。
香港政庁やイギリス政府省庁関係文書が大半を占める収録文書は、イギリスによる植民地香港の統治の実態を克明に描きます。加えて、同時代の香港や広州等の周辺地域を観察した報告からは重大事件や華人社会の慣習を浮かび上がらせます。さらに、統治の一環としての人口や衛生や犯罪等に関する夥しい統計が収録されている点も見逃せません。
※1950年代から1960年代前半にかけての香港・東アジア関係の植民地省ファイルを収録する「英国旧植民地省アジア関係文書 第1集:東アジア、香港、威海衛」、そして1965年~1993年の外務・英連邦省文書を収録する「中国近現代史シリーズ 香港編 第2部 外務・英連邦省文書 1965-1993年」も合わせてご検討ください。
《関連エッセイ》
「香港の歴史とCO 129文書群」ジョン・M・キャロル(日本語訳)
主題の例:
《外交史・条約・治外法権・99年租借》
香港島割譲、九龍割譲、新界の99年租借を定めたイギリスと清朝の間で交わされた条約を収録するほか、中国におけるイギリスの治外法権の撤廃に関する第二次大戦中の英中交渉の際の香港の地位をめぐる交渉など、イギリスと中国の外交に関する文書を収録します。
《革命運動・革命家》
香港追放後の孫文と香港政庁の交わした書簡からグエン・アイコク(ホー・チ・ミン)やアギナルドなど革命家に関する文書まで、香港に関わりの深い革命家や革命運動に関わる文書を収録します。
《労働史・移民》
奴隷に代わる労働力として苦力(クーリー)と呼ばれた下層労働者に対する世界的な需要の高まりを受けて、労働者を募集し西インド諸島、南米、東南アジア各地に送り出す拠点となった香港における労働者の募集、海外移民関係の文書を収録します。
《ボイコット・ナショナリズム》
香港でしばしば発生したボイコットやストライキは政治的安定を損なうものとして植民地政府が常に重大な関心を持って臨んだことは、「ボイコット」という名前の入ったファイルが幾つか収録されていることにも示されています。
《ジェンダー史・人身売買》
貧しい家庭の娘が売られて豊かな家で家事労働を行なう妹仔(ムイツァイ)を巡っては1920年代から30年代にかけて、ムイツァイ関係の文書を集めた資料集の出版、反ムイツァイ協会の設立など、香港だけでなく本国イギリスでも大きな関心を集めました。
《統計・予算》
近代的統治を行なう上で統計の整備は不可欠です。出生、結婚、死亡等の人口統計、犯罪統計から船舶、貿易統計まで、夥しい統計資料を収録します。
《教育史》
孫文が学んだ華人西醫書院、アジアのオクスブリッジになるべく創設された香港大学に関する記事のほか、香港の教育史をまとめた資料を収録します。
《医療・衛生史・華人福祉》
家屋を消毒し、検疫を行なう権限を付与された潔浄局の設置をめぐる事情、1894年のペスト流行、華人社会における西洋式医療への抵抗、華人系の東華醫院で西洋式医療が受容されてゆく状況など、医療・衛生に関する文書を収録します。
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関連分野
- 中国研究
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- 植民地主義
- 19世紀研究
- 政治学・外交研究
- 大英帝国史