China and the Modern World: Imperial China and the West Part II, 1865–1905
中国近現代史シリーズ 第5集・第6集は、英国国立公文書館が所蔵するイギリス外務省の対中国一般外交文書(FO 17, Foreign Office: Political and Other Departments: General Correspondence before 1906, China)を2部に分けて漏れなく電子化し搭載します。この時代の中英関係を明らかにするとともに、中国を巡るイギリス、フランス、ロシア、アメリカ、日本、朝鮮、タイ、ビルマ、インド、オーストラリアの動向にも光を当てる画期的資料群です。
さらに、最新のHTR(手書文字認識)技術を適用することで、手稿文書のフルテキスト検索を実現し、手稿資料を多用する歴史研究における新境地の開拓をサポートします。
第2部はFO 17/873からFO 17/1768まで(1865年~1905年)を収録します。この時期の清朝は、洋務運動の下で近代化が推進される一方で、その辺境統治が綻びを見せた時代であり、ビルマ、ベトナム、琉球、朝鮮等、清朝が宗主権を有していた地域をめぐり清仏戦争や日清戦争が発生し、朝貢体制の破綻が白日の下にさらされました。
国内では、キリスト教布教が広まる中で、ナショナリズムの機運の高まりと共鳴して天津教案のような暴動が発生し、排外主義運動は義和団事件で最高潮に達しました。また、国内の混乱を背景に安価な労働力として海外に流出する華人も増加しました。
これらの出来事がハリー・パークス、ジョン・ウォルシャム、クロード・マクドナルド、アーネスト・サトウら、北京駐在公使や各地の領事の文書を通して明らかにされます。また、ジョン・ジョーダンらソウル駐在公使の文書も多数収録されているのも第2部の大きな特徴です。
さらにFO 17に加えて、イギリス政府法務官が作成した条約等、中国との国際法的側面に関する文書群(FO 83/2247~2253)も収録されています。
※FO 17/1からFO 17/872まで(1815年~1881年)を収録する前半編の第1部も合わせてご検討ください。
早稲田大学教授 本野英一先生オンラインセミナー
「イギリス人の目から見た〈中国屈辱の百年〉の始まり」(録画)
イギリス外務省文書を使い、社会経済史の観点から英中関係を分析してこられた早稲田大学教授 本野英一先生をお迎えして、中国「屈辱の百年」のもう一つの歴史についてオンラインでご講演いただきました。こちらの特設ページもあわせてご覧ください。
京都大学准教授 村上衛先生 オンラインセミナー
「海域史・華人史研究からみたFO17の重要性」(録画)
海の民に視点を定めて中国近代史を読み替えてこられた京都大学准教授 村上衛先生をお迎えして、新しい近代中国像をご紹介いただくとともに、イギリス外務省文書「FO 17」の史料的価値についてもお話しいただきました。こちらの特設ページもあわせてご覧ください。