Integration of Alabama Schools and the U.S. Military, 1963
1963年、アラバマ州は全米の注目を集めました。年初の就任演説で人種統合に反対するジョージ・ウォレス(George Wallace)州知事は、「今人種隔離を、明日人種隔離を、永遠に人種隔離を(segregation now, segregation tomorrow and segregation forever)」と述べ、学校における人種隔離廃止と公民権運動の動きを止めることを宣言します。6ヵ月後の6月11日に知事は、連邦裁判所が入学を命じたにも関わらず、二人の黒人学生のアラバマ大学への入学を阻止すべく、全米のメディアが注視する中、みずからフォスター講堂の前に立ちました。講堂の周囲は州兵が取り囲んでいます。司法副長官のニコラス・カッツェンバック(Nicholas B. Katzenbach)がウォレスに、連邦裁判所の命令に従うよう告げますが、公立の教育施設の運営は憲法で定められた州の権限であるとして、ウォレスはこれを拒否します。
ケネディ大統領は事態を収拾するために、アラバマ州兵の連邦軍への編入を決定します。ここにいたりウォレスは譲歩し、黒人学生は大学への入学を許可されます。その晩、ケネディ大統領は国民に向けて、「不満と対立の炎があらゆる都市で燃え広がっています。救済を求める動きが街頭で、デモやパレードや反抗の形で広まり、緊張を生み、暴力を誘発しています。私たちが直面しているのは、国として、人民としてのモラルの危機です。私は、ホテル、レストラン、劇場、小売店その他を含む公共施設をすべてのアメリカ人が使用できる権利を保障する法律の制定を議会に求めます。これは基本的権利であると私には思われます。これを否定することは尊厳の否定であり、これを容認できるアメリカ人は現在一人もいないはずです。」との歴史的なテレビ演説を行ないました。アラバマの出来事により、公民権運動と正面から向き合わされたケネディ大統領は6月19日、新しい公民権法案を議会に提出しました。
本コレクションは、教育機関における人種統合を巡ってアラバマ州で発生した混乱に連邦政府が軍隊を投入して介入しようと試みた一連の動きを詳細に記録します。原資料は米国国立公文書館が所蔵する RG 319: Records of the Army Staff, Office of the Deputy Chief of Staff for Military Operations, Domestic Disturbance Files: Records of Operations "Oak Tree" and "Palm Tree," 1963の文書群で構成されています。
(マイクロ版タイトル:U.S. Military Activities and Civil Rights: Part 3: The Integration of Alabama Schools and the Use of Military Forces, 1963)
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