The Making of Modern Law: American Civil Liberties Union Papers
本データベースは、アメリカを代表する人権擁護団体で、20世紀以降のアメリカにおける人権拡張に多大な影響をおよぼしつづけるアメリカ自由人権協会(ACLU)の文書集の第1部です。プリンストン大学マッド図書館等が所蔵するACLUのアーカイブ資料約210万ページをデジタル化し、創設前の時期を含む約80年にわたる活動の実態を明らかにします。ACLUが発表したレポート、パンフレット、新聞等の報道記事の切り抜きから、幹部や会員が外国の団体を含む外部団体や人々と交わした書簡、覚書、委員会報告などの内部文書まで、様々な種類の資料が収録されています。
レポートやパンフレットの中には、「裁く者と裁かれる者」「アメリカ人はどのように抵抗するか」「シカゴ警察の秘密拘禁」など、大きな反響を呼んだものもあります。また、「なぜ我々はナチ、ファシスト、そして共産主義者の言論の自由を擁護するのか」のように、ACLU内でも賛否両論を生んだ声明もあります。また、日本に関しては、米軍軍政下の沖縄の人権問題、軍用地問題、労働問題に大きな関心を寄せる中で発表した声明や勧告も含まれています。
その他、ACLUが裁判に関与する過程で連邦裁判所等の司法機関へ提出した意見書、アミカス・ブリーフ(Amicus Brief)も多数含まれています。アミカス・ブリーフは、裁判の訴訟当事者以外の第三者(Amicus Curiae、アミカス・キュリイ、法廷助言人)が当事者の同意の下、裁判所に対して提出する意見書であり、裁判所が下す判決に直接的な影響を及ぼすことも少なくありません。
ACLUはこれまで連邦最高裁にブリーフを提出し、多くの判決に影響をおよぼしてきました。これらのブリーフとその周辺資料は、ACLUの裁判との関わりの実態を詳らかにするに止まらず、最高裁の判決がどのような影響関係のもとに生まれたのかを明らかにするものであり、20世紀アメリカの司法研究にとって重要な文書です。
*ACLU南部支局の文書を収録する 第2部:アメリカ自由人権協会(ACLU)南部支局文書集 もございます。合わせてご検討ください。
《アメリカ自由人権協会 ACLUとは》
アメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union, ACLU)は1920年に反戦活動家ロジャー・ボールドウィンらにより創設されて以来、言論と出版の自由、教会と国家の分離、信教の自由、法の適正手続、法の下の平等、市民のプライバシーの権利等を擁護することを使命として、人権侵害を受ける個人や団体を裁判の中で支援し、現在では約200人の弁護士を含む50万人以上の会員を有する米国最大の人権擁護団体として活動を続けています。20世紀アメリカ最高裁の画期的判決の実に80%にACLUが何らかの形で関与していた事実が雄弁に物語るように、現代アメリカにおける人権の歴史はACLUなしには成立し得ないと言っても過言ではありません。一方でACLUは、白人至上主義団体やネオナチから共産主義者まで、政治的立場を問わず、米国憲法で保障された権利を擁護しようとするその原理主義的スタンスが時に批判を呼び起こし、政治家が政敵を攻撃する際の格好のシンボルとしても機能してきました。ACLUの歴史は20世紀のアメリカにおける人権拡張の歴史を凝縮しているだけでなく、人権が持つ普遍的な問題群をも浮き彫りにするケーススタディの宝庫です。
《ACLU が関与した主要な裁判名》
(*) 裁判名を標題にもつ文書があることを示しています
- State of Tennessee v. John Thomas Scopes (1925)
- Whitney v. California (1927)
- Stromberg v. California (1931)
- Powell v. Alabama (1932)
- Patterson v. Alabama (1935)
- De Jonge v. Oregon (1937)
- Lovell v. Griffin (1938)
- Hague v. CIO (1939)
- Edwards v. California, State of (1941) (*)
- Hirabayashi v. U.S., Yasui v. U.S. (1942) (*)
- West Virginia State Board of School v. Barnette (1943)
- Smith v. Allwright (1944)
- Hannegan v. Esquire, Inc. (1946) (*)
- Shelley v. Kraemer (1948)
- Terminiello v. Chicago (1949)
- Kunz v. New York (1951)
- Rochin v. California (1952) (*)
- Burstyn v. Wilson (1952)
- Brown v. Board of Education (1954) (*)
- Watkins v. U.S. (1957) (*)
- Kent, Rockwell and Briehl, Walter v. Dulles, John Foster (1958) (*)
- Trop, Albert L. v. Dulles, John Foster (1958) (*)
- Speiser v. Randall (1958) (*)
- Smith v. California (1959) (*)
- Mapp v. Ohio (1961) (*)
- Poe and Buxton, et al. v. Ullman (1961) (*)
- Engel v. Vitale (1962) (*)
- Schempp, Edward L. v. Abington (1963) (*)
- Gideon v. Wainwright (1963)
- New York Times v. Sullivan (1964) (*)
- Escobedo v. Illinois (1964)
- Jacobellis v. Ohio (1964) (*)
- Reynolds v. Sims (1964)
- Lamont v. Postmaster General (1965) (*)
- U.S. v. Seeger (1965) (*)
- Griswold v. Connecticut (1965) (*)
- Miranda v. Arizona (1966) (*)
- Loving v. Virginia (1967) (*)
- Jones v. Mayer (1968) (*)
- King v. Smith (1968) (*)
- Terry v. Ohio (1968) (*)
- Epperson v. Arkansas (1968) (*)
- Levy, Louise v. State of Louisiana (1968) (*)
- Tinker v. Des Moines (1969) (*)
- Brandenburg, Clarence v. State of Ohio (1969) (*)
- Watts v. U.S. (1969) (*)
- Goldberg v. Kelly (1970)
- New York Times v. U.S. (1971) (*)
- Reed v. Reed (1971) (*)
- Cohen v. California (1971) (*)
- U.S. v. Vuitch (1971) (*)
- Eisenstadt v. Baird (1972) (*)
- Frontiero v. Richardson (1973)
- Holtzman v. Schlesinger (1973) (*)
- Roe v. Wade/Doe v. Bolton (1973) (*)
- U.S. v. Nixon (1974) (*)
- Goss v. Lopez (1975) (*)
- O'Connor v. Donaldson (1975) (*)
- Buckley v. Valeo (1976) (*)
- Wooley v. Maynard (1977) (*)
- Skokie v. National Socialist Party (1977) (*)
- Smith v. Collin (1978) (*)
- Pruneyard v. Robins (1980) (*)
- Board of Island TreesEducation v. Pico (1982) (*)
- Bob Jones University v. U.S. (1983)
- Wallace and Smith v. Jaffree (1985) (*)
- Edwards v. Aguillard (1986) (*)
短評
"This excellent collection of primary documents provides first-rate access to unique materials important to the study of modern US history and law. . . the collection will certainly aid scholarship among advanced researchers."
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