Nineteenth Century Collections Online: British Politics and Society
19世紀史料集成(NCCO)第1部:英国の政治と社会は、19 世紀イギリスの自由主義改革と急進的労働運動に、改革や運動の担い手である政治家、労働者の日記、書簡、演説、公文書、新聞を通して迫ります。
フォックス、ピール、ホブハウスら改革派の大物政治家の文書、内務省の文書、労働組合史史料、労働者発行の定期刊行物、労働者の自伝など、政治家、政府から労働者まで、社会の各層の視点から同時代の政治動向を明らかにします。
19 世紀イギリスは急激な都市化に直面し、都市化に起因する社会問題の解決を迫られました。マンチェスター統計協会の紀要は、社会問題に対して統計的にアプローチする時代の到来を告げる貴重な史料です。切り裂きジャック事件に関する警視庁資料からは、当時の庶民の社会感情が浮かび上がってきます。
《収録コレクション》
◆政治史史料
- British Cabinet Papers, 1880-1916
18世紀に起源を持つイギリスの内閣は当初、独立の法的権力を有するものでなく、内閣の創設や継続を根拠づける法令もなく、時の首相の裁量のままに運営されていました。その歴史の大半において、内閣は何らかの議題を受けて招集されたわけでなく、議事録が残されることもありませんでした。この状況が変わるのは20世紀初頭です。第一次世界大戦時に迅速な意思決定を行う必要に迫られ、1916年に内閣官房が設置され、その後内閣の業務範囲が拡大、記録が残されるようになります。しかし、内閣を構成する各大臣によって用意された公式文書は、それ以前から内閣に配布されていました。配布された内閣文書の完全な記録は1916年以前については残されていないものの、様々な省庁を出所とする文書の写真複製が収集されてきました。本コレクションは1880年から1916年までの写真複製された文書を集めたものです。国内問題と国際問題を問わず、この時代の内閣が関心を寄せてきた様々な問題に関わる文書が収録されています。
- Colonial Defence Commission under Lord Carnarvon, 1881-1882
第4代カーナヴォン伯、ヘンリー・ハーバート(Henry Howard Molyneux Herbert)は19世紀後半のイギリスの政治家で、2度植民地大臣を務め、カナダ自治領の形成に導く1867年のイギリス北アメリカ法の通過に大きな役割を果たしました。1879年から1882年まで王立イギリス海外領土・通商防衛委員会(カーナヴォン委員会)の委員長を務め、帝国におけるイギリスの利害を監督する立場にありました。1880年代にはアイルランド総督の地位に着きます。本コレクションの未公刊文書は、第一次植民地防衛委員会、第二次植民地防衛委員会、カーナヴォン委員会、海外防衛員会の記録(覚書、報告書、書簡)を収録します。
- Papers of Great British Statesmen and Politicians
Series One: The Papers and Correspondence of Charles James Fox, 1749-1806
Series Two: Sir Robert Peel, 1834-1846 - Radicals and Reformers in Britain: The Papers of John Cam Hobhouse, 1809-1869
◆労働運動・社会運動史史料
- British Labour History Ephemera ~モノグラフ、マニュスクリプト、定期刊行物282点~
本コレクションは、19世紀末の労働運動の中で発行された短命な定期刊行物や書籍を収録します。労働者の利害を代表する政党の結成に向けた動きが活発になった19世紀末は、イギリス労働運動史の中でも非常に重要な時代です。当初期待を寄せていた自由党にみずからの利害を代弁させることはできないと悟った労働者は独自の政党の結成を目指し、1893年に独立労働党を創設、労働組合会議(Trade Union Congress)と合流する形で1900年、労働代表者会議(Labour Representation Committee)を結成、これが6年後に労働党となります。本コレクションに収録された記録は、この時代の文脈の中で書かれたものです。物議を醸したジェームズ・リーサム(James Leatham)の「イエスは社会主義者か」、無署名の「無政府主義とは何か」、ダーウィンとマルクスを取り上げたエドワード・エイヴリング(Edward Aveling)の著作、「ローマ教皇の社会主義」を含むロバート・ブラッチフォード(Robert Blatchford)の著述、高齢者のための年金の必要を論じるチャールズ・ブース(Charles Booth)の著作など、収録範囲は多岐に亘ります。その他、シドニー・ウェブ、ベアトリス・ウェブ、ヘンリー・ハイド・チャンピオン、J・モリソン・デイヴィッドソン、ヘンリー・ハインドマン、カール・カウツキー、ピョートル・クロポトキン、ジョン・ラスキン、アレクサンダー・トンプソン、アーノルド・トインビーなど、著名な社会主義者が名前を連ねています。本コレクション収録の資料は19世紀末の社会主義の発展をカバーし、ストライキ、8時間労働、職場における女性の役割向上を巡る労働運動の闘いを記録しています。282点のモノグラフの他、マニュスクリプト、定期刊行物を収録します。
≪収録定期刊行物の例≫
- The Anarchist Labour Leaf
- The Anti-Sweater
- The Clarion
- The Commonweal
- The Commonwealth
- The Democrat
- The Economic Review
- The English Labourers' Chronicle
- Free Russia
- Freedom
- L. P. News
- Justice
- The Labor Leader
- The Labour Prophet
- The Labour Tribune
- Land & Labor
- Liberty
- The National Agricultural Union Cable
- The New Age
- Progress
- Rochdale Labour News
- The Rural World
- The Social-Democrat
- To-Day
- The Torch
- The Trade Unionist
- War Against War!
- The Workman's Times
- Yorkshire Factory Times
- British Trade Union History Collection ~ G.D.H. コール, シドニー・ウェブなどイギリス労働組合史に関する書籍356点~
本コレクションは19世紀のイギリス労働組合の歴史に関する書籍、356点を収録します。炭鉱労働者の指導者ロバート・スマイリー(Robert Smillie)から史上初の労働党政権の首班ラムゼイ・マクドナルドにより編纂された社会学のモノグラフなど、19世紀イギリス労働組合史に関する書籍356点を収録します。
≪収録資料の例≫
- ジョン・トマス・マーフィー(John Thomas Murphy)『大ストライキの政治的意味』
- G.G.H. コールほか『鉄道の労働組合主義:その歴史と問題』
- G.D.C. コール『19世紀第三四半期の労働組合運動に対する若干の注釈』
- G.D.H. コール『ジョン・バーンズ』
- マーガレット・コール『労働運動の形成者たち』
- ジョン・ハモンド、バーバラ・ハモンド『熟練労働者 1760-1832』
- メアリー・アグネス・ハミルトン『メアリー・マッカーサー:自伝的素描』
- メアリー・アグネス・ハミルトン『アーサー・ヘンダーソン伝記』
- フレデリック・ハリソン(Frederick Harrison)『自伝的回想』
- ウィリアム・スタンリー・ジェボンズ『労働との関係における国家』
- ジョン・ヘンリー・グリーンウッド『労働組合運動の理論と実践』
- シドニー・ウェブ『ダーラム鉱山労働者の物語』
- シドニー・ウェブ『労働組合の状態の回復』
- シドニー・ウェブ、ベアトリス・ウェブ『産業民主制』
- アーサー・ウィルフレッド・ハンフリー『ロバート・アップルガース:労働組合運動家、教育者、改革家』
- ロゾフスキー『マルクスと労働組合』
- ベン・ティレット(Ben Tillett)『ロンドン輸送労働者のストライキの歴史』
- アラン・ブロック(Alan Bullock)『アーネスト・ベヴィンの生涯と時代』
- アーサー・ヘンダーソン『労働組合と法』
- ジョージ・ニコル・バーンズ(George Nicoll Barnes)『作業場から戦時内閣へ』
- リチャード・ヘンリー・トーニー『1909年産業委員会法の下での仕立産業における最低賃金の確立』
- People's History: Working Class Autobiographies ~ 174篇の自伝を収録~
19世紀のイギリス労働者階級に属する人々によって書かれた書物の中では自伝が相当部分を占めます。これらの自伝はそれ自体、社会における読み書き能力の向上によるものであり、労働者階級の生活と思想を後世に伝えています。本コレクションは、イギリス労働者階級の自伝を学問的に検討した総合的な研究書、ジョン・バーネット、デヴィッド・ヴィンセント、デヴィッド・メイオールの『労働者階級の自伝:注釈付・批判的書誌(The Autobiography of the Working Class: An Annotated, Critical Bibliography)』に依拠し蒐集された174篇の自伝を収録するものであり、19世紀のイギリス労働者階級の多様な生活と個人的経験を余すところなく伝えています。収録された自伝は文体も分量も内容も記述法も多岐にわたり、教育や児童期や労働の実態、19世紀イギリスにおける多様な職種、チャーティストからユートピア社会主義、ラッダイト、労働組合運動に至る急進的政治思想の起源、軍隊での経験、自己啓発や勉学の試み、犯罪者や受刑者の体験など、労働者階級の生活と体験の重要な側面をヴィヴィッドに描いています。
- Radical Politics and the Working Man in England~ 19世紀イギリス労働運動関係資料としては屈指のフランシス・プライス・コレクション~
大英図書館が所蔵するフランシス・プレイス・コレクションは、1770年代から1850年代までのイギリスの社会、労働、政治、経済に関するビラ、新聞記事の切り抜き、多くのエフェメラを収録する、19世紀イギリス労働運動、社会運動関係資料としては屈指のコレクションです。皮ズボン製造の徒弟として職業生活を始めたプレイスは、1793年のストライキに参加、ロンドン通信協会に参加し、その議長を務めます。団結禁止法の撤廃運動に従事、ロンドン労働者協会(London Working Men's Association)の創立に関わり、チャーティスト運動においては人民憲章の起草に尽力するも、暴力の使用をめぐり他の指導者との意見対立により、運動からは距離を置くようになりますが、1854年に逝去するまで穏健な改革運動の指導者として社会運動史の一時代を築きました。プレイスは徒弟時代を経て、独立してロンドンのチャリングクロス街に仕立屋を開業しました。仕立屋を経営し、改革運動に従事する傍で続けたのが書籍、雑誌、パンフレット、ビラ、新聞記事の切り抜きの蒐集です。その生涯にわたり、同時代の政治改革に関する多くの刊行物の蒐集に努めましたが、その中には、”The Anti-Corn Law Circular” や ”The Anti-Bread-Tax Circular” のようなマンチェスターで発行された新聞、非合法の無印紙新聞、ロンドン通信協会関係の資料のような貴重な資料も含まれています。
- Rare Radical and Labour Periodicals of Great Britain ~稀少なイギリス労働関係定期刊行物約150点~
19世紀イギリスの労働者階級や急進主義の政治の歴史を研究するには、同時代に発行された新聞や雑誌など定期刊行物を参照することが不可欠です。『ウォーウィック版 1790年から1970年までのイギリス労働関係定期刊行物ガイド(The Warwick Guide to British Labour Periodicals, 1790–1970)』に基づく本コレクションは、100を超える定期刊行物を収録しますが、いずれも稀少で、入手が極めて困難なものです。政党と社会運動が活況を呈し、急進主義が伸長した時代におけるチャーティズム、社会主義、労働組合主義、サンディカリズム、アナーキズム、平和主義など、社会運動諸派の運動の全貌に迫るコレクションです。
≪収録定期刊行物≫
- All Power
- The Anarchist
- The Anarchist Communist and Revolutionary
- The Artizans' News and Temperance Reporter
- The British Citizen
- The British Citizen and Empire Worker
- The Briton
- Bronterre's National Reformer, in Government, Law, Property, Religion, and Morals
- Brotherhood
- The Building Worker
- The Bull's Eye
- The Cabinet Newspaper
- The Cap of Liberty
- The Champion
- The Christian Social Economist
- The Clear Light
- Cleave's Weekly Police Gazette
- Cobbett's Evening Post
- Cobbett's Magazine
- The Common Good
- Common Sense for People with Brains and Hearts
- Commonwealth
- The County Derry Liberal
- The Deadly Parallel
- The Democrat
- The Democrat & Labour Advocate
- The Destructive, and Poor Man's Conservative
- Dewsbury Social-Democrat
- Douglas Jerrold's Weekly Newspaper
- East End Worker
- The Eastern Weekly Leader
- The English Chartist Circular
- The English Leader
- The English Republic
- The Evening Herald
- The Fiery Cross
- Free Exchange
- The Free Labour Gazette
- The Free Oxford
- The Freethinker's Magazine and Review of Theology, Politics, and Literature
- Freiheit (Freedom)
- The Gadfly
- Hammersmith Socialist Record
- The Herald of Anarchy
- Home Links
- The Independent
- The Investigator: A Journal of Secularism
- The Isis. A London Weekly Publication
- The Journal of the Working Classes
- L'Homme
- The Labour Defender
- The Labour Journal
- The Labour League Examiner
- Labour Record
- The Labour Union Journal
- The Labour's Advocate; and Northern Weekly Advertiser
- The Labourers' Herald
- Lansbury's Labour Weekly
- Laughter Grim and Gay
- The Leader
- The Leaflet Newspaper
- The Leicestershire Movement; Voices from the Frame and the Factory, the Field and the Rail, etc.
- The Liberal Labour Journal
- Liberty
- The Link
- The London News
- The Londoner
- Louis Blanc's Monthly Review: The New World
- The Man. A Rational Advocate
- The Manchester Herald
- The Medusa; or, Penny Politician
- The Midland Workman and General Advertiser
- The Miners' Advocate and Record
- Miners' Weekly News
- The Morning Star
- The Morning Star, or Herald of Progression
- The Morning Star, or, Phalansterian Gazette
- National Home Reading Union. Monthly Journal. Artizans' Section
- No More War
- The Norfolk Yeoman's Gazette and Eastern Advertiser; for the Counties of Norfolk, Suffolk, Essex, Cambridge and Herts
- North of England People's Paper
- The Odd Fellow
- Out of Work
- The Patriot
- A Penny Paper for the People
- The People
- The People
- The People's Advocate
- The People's Messenger
- The People's Newspaper
- The People's Party
- The People's Police Gazette
- The People's Review
- The Phoenix; or, The Christian Advocate of Equal Knowledge
- The Pioneer
- The Pioneer; and Weekly Record of Movements
- Police & Public
- The Political Investigator
- The Political Unionist
- Politics for the People
- The Precursor of Unity
- Profit-Sharing and Co-Partnership
- The Progressive Review
- The Promethean
- The Prompter
- The Prophet
- The Radical
- The Radical Leader
- The Radical Reformer
- The Radical Register, and Liberal Gazette
- The Radical Times
- The Red Rag
- Regenerator, or Guide to Happiness
- The Republican
- The Republican: A Monthly Advocate and Record of Republican and Democratic Principles and Movements
- The Revolutionary Review
- Rich and Poor
- Robert Owen's Journal
- Robert Owen's Millennial Gazette
- Satire
- The Schoolmaster, and Edinburgh Weekly Magazine
- The Social Reformer
- The Socialist
- The South-Eastern Progressive and Labour News
- South Wales Sentinel and Labour News
- The Spade and Whip, and Bucks Weekly Times
- The Straight Left
- The Sun
- Sword and Shield
- The Tailors' Record
- The Theological Comet; or, Free-Thinking Englishman
- The Tichborne News and Anti-Oppression Journal
- The Trade Unionist
- The Trades Chronicle
- The Unemployed News
- The Unemployed Worker
- United Labour
- The Voice of the People
- The Walthamstow Democrat
- The Ware Patriot
- The Weekly Herald
- The Weekly Telegraph
- Weekly Times
- The Weekly Tribune
- The Weekly True Sun
- The White Hat
- The Worker
- The Workers' Cry and Advocate of the Claims of the Labor Army
- Workers Illustrated News
- Workers' International Pictorial
- The Working Man's Friend; and Political Magazine
- The Yorkshire Tribune
- Civil Disturbance, Chartism and Riots in Nineteenth Century England
本コレクションはイギリス内務省文書・登録文書の主要シリーズを出所とするものです。内務省の同文書は全体を見れば、内務省の業務全体をカバーするものですが、ここに収録されたものは、19世紀イギリスの騒擾、チャーティスト運動、暴動に限定されています。収録文書の大半はイングランドとウェールズのものですが、スコットランドとアイルランドのものも若干数含まれています。本コレクションがカバーする時代はチャーティスト運動の最盛期を含みます。チャーティスト運動は男子普通選挙、秘密投票、被選挙権のための財産制限の撤廃、議員への俸給等の実現を目指しました。1839年、1842年、1848年にチャーティストの請願が議会に提出されるも、拒絶され、運動の目的は達成されることはありませんでした。この時代は、労働組合、ストライキ、プロテスタントとカトリック間の緊張、第二次選挙制度改革で特徴付けられます。収録文書は、集会、ストライキ、政治活動に関する報告の他、労働組合の結成の動きに対する政府の側の対応をも記録しています。本コレクションの圧巻は、チャーティスト、労働組合など、改革を求める各種団体が残した文書です。ビラやポスターを含むプロパガンダ文書は、治安判事や地方の名士によって活動の実態を伝える記録として内務長官のもとに送られました。1848年以降は内務省に届いた文書は内務省内で登録され、1848年以前の文書は遡及的に番号が振られることになりました。
- Public Order, Discontent, and Protest in Nineteenth Century England, 1820–1850
本コレクションは、1820年から1840年代までイングランドとウェールズ各地から内務省に送られた労働運動、民衆騒擾、暴動に関する書簡、覚書、報告を収録します。この時代は改革の時代と呼ばれる通り、第一次選挙法改正(1832年)、新救貧法(1834年)、地方自治法(1835年)等の一連の政治行政改革が実現した一方で、労働組合運動、スウィング暴動その他の民衆騒擾、反救貧法運動、チャーティスト運動など、改革の恩恵を享受することができなかった労働者階級による政治運動が高揚した時代でもあります。収録される書簡や報告は、地方の市長、市参事会員、名士、名望家などから内務省に送られたものです。文書の編集方針は時代により異なります。1820年代は年代別に編纂されているものの、地域別に編集されることはなく、すべての州の文書が分類されることなく収録されています。1830年になると、労働運動や民衆騒擾事件の発生件数が増えたことに伴い、内務省に送られる報告の数も増え、その結果文書が地域別に編集されるようになりました。この場合の地域とは、文書の送り手が所在している地域での出来事を報告するケースと文書の送り手が別の場所で発生している出来事を報告するケースがあるということに注意する必要があります。1839年になると、州ではなく州の下位の所在地名で分類されるようになりました。本コレクションの収録文書は1850年までをカバーします。内務省に送られたその後の時代の同種の報告は ”Civil Disturbance, Chartism and Riots in Nineteenth Century England” に収録されています。
- Radicalism, Anti-Radicalism and Reform in England,1769-1861: Original Papers and Minute Books
- Home Office:
Disturbances Entry Books /Domestic Correspondence /Domestic Entry Books /Papers and Records /Post Office Correspondence /Registered Papers - Hue and Cry and Police Gazette
- Rare Freethought Militant 19th Century Books
18世紀の啓蒙思想の時代、神と自然に関する伝統的思想は、理性と科学の名の下に知的挑戦を受けました。19世紀になると自由思想は、読み書き能力の向上と出版産業の拡大、産業革命によってもたらされた生活条件と労働条件の低落という新しい時代文脈の下で、人間と神及び世俗権力との関係を再定義する思想が登場しました。それに伴い政治的急進主義の思想が広まり、様々な自由思想家が現れました。本コレクションは19世紀における宗教と無神論との知的格闘の諸相を伝える資料を収録します。社会改革家アニー・ベザント(Annie Besant)の『私の無神論への道(My Path to Atheism)、「世俗主義(secularism)」の語を生んだジョージ・ジェイコブ・ホリョーク(George Jacob Holyoake)の「有神論を審判する(The Trial of Theism)」のほか、神の実在を疑うのみならず社会改革を志向した人々の著作など、19世紀において伝統的秩序を転覆し、統治者と被統治者の関係を変革しようと試みた人々の思想を深く掘り下げることが出来るコレクションです。
- Discontent and Authority, 1820-1840
- Working Class Movement Card Catalogue
◆社会史史料
- Economic and Social Investigations in England since 1833:Transactions of the Manchester Statistical Society
- Ordnance Surveyors' Drawings, 1789-1840 ~陸地測量部作成地形図集成
1791年に陸地測量部が創設されるまで、イギリスには統一的な地形図作成部門はなく、断片的で計画性のない地形図作成業務があったに過ぎません。イギリス政府がそれまで軍備と海岸防衛を担っていた軍備局の下に陸地測量部を創設したのは、スコットランドの陸軍技師で、スコットランド高地地方の測量を行なったウィリアム・ロイ(William Roy)の仕事に触発されてのことだと言われています。陸地測量部の詳細な地図は外国の侵攻に対する防衛のために不可欠と見なされただけでなく、民間の目的にとっても同じように価値あるものだと見なされていました。大英図書館地図コレクションを原資料とする本コレクションは、歴史的な地形図情報の宝庫です。最初の測量で作成された地図は一般囲い込み法による土地利用と土地保有の変化が起こる前の唯一の包括的な記録です。1805年までは1マイル分の3インチから6インチの縮尺の使用が一般的で、とりわけ南西部の海岸の軍事的に重要な地域の測量についてはこの縮尺が使われていましたが、その後1マイル分の2インチの縮尺が一般的になりました。これらの測量の結果作成された地図は1873年になるまで出版されることはなく、1マイル分の1インチの縮尺の場合、土地の利用や地形に関する測量時に計測された多くの特徴が出版された地図では失われることになりました。したがって、19世紀前半のイングランドとウェールズの地形を正確に再現したものとしては、測量時の地図しかないのが現状です。これらの地図は、一般的な地形や運河や交通網の発展を分析する歴史地理学の観点、地図上の囲い込みの印や土地の境界線や土地利用の印から土地利用形態の転換を読み取る経済史の観点、産業革命の影響を検証する社会史の観点、そのほか地方史、軍事史など、様々な学問的方面において利用することが期待されます。
- The Oxford Movement: Tractarian Pamphlets at Pusey House: The Halifax and Church Sub-Collections
- The Whitechapel Murders Papers: Letters Relating to the "Jack the Ripper" Killings
1888年の8月から11月にかけて5人の女性が殺害されたいわゆる切り裂きジャック事件は、歴史上の未解決殺人事件の中でも最も有名な事件であり、多くの小説や映画に題材を提供してきました。ロンドンのイーストエンドはホワイトチャペル地区で発生した連続殺人事件は大衆レベルで異様な関心を呼び起こし、真犯人に関する夥しい数の憶測がメディアや噂話を通じて流通しましたが、今に至るまで真犯人は確定していません。本コレクションに収録される文書は、ロンドン・シティの検死官による被害者の検死の記録、一般市民から警察への投書、新聞記事など、事件直後のものから翌年1889年までのもので構成されています。一般市民の投書の中には偽名を使ったもののほか、中には「切り裂きジャック」名のものも含まれています。収録文書の大半はロンドンのものですが、中にはドイツやアメリカやオーストラリアのものも含まれています。これらの文書は切り裂きジャック事件の背景資料として、事件が発生した社会的コンテクストと警察が捜査を行なった環境を明らかにしてくれます。
- Diaries of Sir Frederic Madden