Nineteenth Century Collections Online: Religion, Reform, and Society
19世紀史料集成(NCCO)第12部:宗教と社会改革は、19世紀の英米において自由主義や急進主義の思想、貧困層の増大、進化論等の科学など、社会的、知的挑戦にさらされる中でキリスト教会諸派が行なった自己改革の試みを跡付けるほか、19世紀アメリカにおける国内外への伝道機運の高まりと宗教家の社会改革への志向を、ボストンを中心とするニューイングランド地方のボランティア団体の所蔵資料を通して俯瞰します。
《収録コレクション》
◆書籍・パンフレット
Philosophy and Religion: Selected Periodicals from the British Library(哲学と宗教: 大英図書館所蔵書籍・雑誌選集)
Religion, Philosophy, and Politics: Selected Monographs from the British Library(宗教、哲学、政治: 大英図書館所蔵書籍選集 書籍238点)
<収録書籍例>
- ウィリアム・ペイリー『道徳・政治哲学原理』(1786)
- エラズマス・ダーウィン『寄宿学校における女子教育運営の計画』(1797)
- トマス・コーガン『情念に関する哲学的論考』(1802)
- トマス・ヤング『自然哲学と機械技芸に関する講義』(1807)
- ハナ・モア『国内外で流行する意見と習慣に関する道徳的素描』(1819)
- リチャード・カーライル『オリンサス・グレゴリー著『キリスト教の証拠、教義、義務に関する友への手紙』に関する考察』(1821)
- ロバート・オーウェン『ニュー・ラナーク教育制度概観』(1824)
- リチャード・ホエートリー『キリスト教の若干の特質に関する試論』(1825)
- ヘンリー・ブルーム『人民の教育に関する実践的考察』(1825)
- ヒュー・ジェームズ・ローズ『ドイツにおけるプロテスタント宗教の状態』(1825)
- レン・ディクソン・ハンプデン『キリスト教の哲学的証拠に関する試論』(1827)
- 有用知識普及協会編『有用知識叢書:自然哲学』(1829-1832)
- リチャード・カーライル『教会改革』(1835)
- ゴドフリー・フォーセット、ジョン・ヘンリー・ニューマン『カトリック復興—説教』(1838)
- チャールズ・サウスウェル『自由思想家の告白』(1845)
- アンドリュー・ジャクソン・デイヴィス『自然の原理、自然の摂理、人類へのお告げ』(1847)
- ジェームズ・ロング『1714年から1847年までのベンガルキリスト教知識普及協会の歴史』(1848)
- ジョン・タリス『タリスの図説聖書の歴史』(1850)
- ヘンリー・ロングヴィル・マンセル『オックスフォード大学での8つの講義で検証された宗教思想の限界』(1858)
- 『アイザック・バロウ神学著作集』(1859)
- フランシス・シットウェル『催眠術とは何か』(1862)
- ジョージ・ラムゼイ『モラリストと政治家』(1865)
- ジョン・ハント『宗教改革から前世紀末までのイングランド宗教思想』(1870-1873)
- ウィリアム・ライアン『ヒト対ダーウィン』(1872)
- エルンスト・ヘッケル『自然創造史』(1876)
- ヘンリー・シジウィック『倫理学の方法』(1877)
- ジョン・ウィリアム・ドーソン『地質学の時間の中での生命の連鎖:動物と植物の起源と継承に関する素描』(1880)
- ジェームズ・ミッチェル・ウィン『科学的無神論の崩壊』(1880)
- 『道徳改革連合年次報告』(1882-1890)
100 Years of Fabian Publications, 1887-1983(フェビアン協会出版物の100年)
100年に亘るフェビアン協会の出版物の著者とタイトルを索引としてまとめたものです。協会刊行のパンフレットだけでなく、多くの雑誌に寄稿された論文も索引化されています。収録シリーズは、伝記シリーズ、植民地論争シリーズ、フェビアン解説シリーズ、リサーチシリーズ、科学と社会問題シリーズ、若いフェビアン主義者のパンフレット、スタディガイドに分類されています。
Selections from Literature of Theology and Church History: British Theology(19世紀イギリスの神学と教会関係文献コレクション 書籍1,112点)
<収録書籍例>
- トマス・チャーマーズ『市民による政府の社会にとっての重要性とそれに関するキリスト教徒の義務』
- ロバート・サウジー『ウェズレーの生涯とメソジスムの勃興と進歩』
- ベンサム『パウロではなく、イエスを』
- ウィリアム・ジョンソン・フォックス『ユニテリアン教会の精神』
- ロバート・アイザック・ウィルバーフォース『ウィリアム・ウィルバーフォースの生涯』『ウィリアム・ウィルバーフォース書簡集』
- ヘンリー・リドン、ジョン・ジョンストン『エドワード・ピュージーの生涯』
- エドワード・ピュージン『1859年から1872年までにオックスフォード大学で行われた説教集』
- ジョン・ヘンリー・ニューマン『義認に関する講義』
- ジェームズ・マーティノー『聖書と児童』
Selections from Literature of Theology and Church History in the United States and Canada(19世紀アメリカとカナダにおける神学と教会関係文献コレクション)
本コレクションに収録された文献は、説教、教義をめぐる論争、教会の歴史、個人の精神的遍歴を通じて、英国国教会、会衆派教会、長老教会、監督教会からメソジスト教会、バプテスト教会、クウェーカー教会、ユニテリアン教会、普遍教会、カトリック教会、ユダヤ教会まで、19世紀アメリカで影響力を持った宗派の言説を鳥瞰します。この時代のアメリカでは、ニューイングランドを拠点に神学が大きく変化し、ハーバード、イェール、プリンストン、アンドーヴァーの神学校で活発な神学論争が起こりました。本コレクション収録のモノグラフには、国教制の廃止、洗礼、三位一体論等の神学的問題をめぐる論争、聖書の歴史、地質学、進化論等の同時代の科学との格闘、婚姻、離婚、自殺、禁酒を巡る道徳改革の議論が、随所に見られます。アメリカ国内伝道協会(American Home Mission Society)、アメリカトラクト協会(American Tract Society)などの参加型任意団体の刊行物も収録されています。
Selected Religion Titles from Nineteenth Century American Literature and History: Ohio Valley and the South(19世紀宗教関係文献選集:オハイオ峡谷と南部)
アメリカ宗教史の中で19世紀前半は、1800年にケンタッキーで行なわれたキャンプ・ミーティングを発端とする宗教リバイバの時代です。この宗教リバイバルを契機として、メソジスト教会とバプテスト教会は西部で大きな躍進を遂げました。長老教会は、これら両教会ほどの躍進を果たすことはなかったものの、アレゲーニー山脈(アパラチア山脈の支脈)を越えてフロンティアでの伝道を果たした最初の教会です。アメリカ国内伝道教会のような、このリバイバルの時期に新たに生まれた参加型任意団体は、ニューイングランドの宗教を西部フロンティアに移入するのに大きく貢献しました。
本コレクションは、19世紀アメリカ西部におけるメソジスト教会やシェーカー教徒の実情、イリノイ州ペオリア初のローマカトリック教の司祭ジョン・ランカスター・スポルディング(John Lancaster Spalding)の宗教論、教育論、芸術論、中西部を伝道した盲人説教師ウィリアム・ヘンリー・ミルバーン(William Henry Milburn)の回想録、アレン・カーデン(Allen D. Carden)とウィリアム・ダウンズ(William Downs)の讃美歌集、奴隷制廃止論者ジェームズ・ギリスピー・バーニー(James Gillespie Birney)の奴隷制や教会や道徳の改革をめぐる論争を記録する一次資料など、19世紀西部フロンティアの宗教の実情を様々な視点から伝えます。
Selected Monographs from the American Congregational Library(アメリカ会衆派教会図書館所蔵モノグラフ選集)
<収録書籍例>
- アメリカ日曜学校連合『ジョン・フレデリック・オーバリンの生涯』(1830)
- ライマン・ビーチャー『懐疑主義講義』(1835)
- ジョージ・リプリー『宗教哲学論考』(1836)
- アイザック・テーラー『古代キリスト教とオックスフィード・トラクトの教義』(1840)
- セオドア・パーカー『キリスト教における無常と永遠に関する論考』(1841)
- トマス・マッジ『一般にピュージー主義と称される高教会主義に関する講義』(1844)ウィリアム・ヘンリー・チャニング『キリスト教会と社会改革』(1848)
- セオドア・パーカー『近年における宗教の教師の役割に関する論考』(1855)
- アメリカユニテリアン教会『ユニテリアニズム:その起源と歴史、ボストンチャニングホール連続講演』(1890)
- 『ウィリアム・ロー師著作集』(1892-1893)
- ジョン・トマス・コッドマン『ブルック・ファーム:歴史的・個人的回想』(1894)
- ジョージ・ヤコブ・ホリョーク『イングランドの世俗主義:信仰の告白』(1896)
- リンゼイ・スウィフト『ブルック・ファーム:メンバー、教授、訪問者』(1900)
- ウィリアム・ラルフ・イング『個人的観念論と神秘主義』(1907)
- ネイサン・マーシュ・ピュジー『エキュメニカル運動:平信者の視点』(1963)
Selected Pamphlets from the American Congregational Library(アメリカ会衆派教会図書館所蔵パンフレット選集 モノグラフ1,913点、新聞)
<収録資料例>
- 『アメリカ国内伝道協会と奴隷制』
- 『アメリカ東洋協会会議録』
- 『貧窮母子への支援報告』
- 『New England Watch and Ward Society年次報告』
- 『Boston Industrial Home年次報告』
- 『ボストンイタリア系移民保護協会年次報告』
- 『ボストン高齢者療養所報告』
- 『ボストン港湾船員支援協会理事報告』
- 『Channing Home報告』
- 『ボストンワシントン市民療養所年次報告』
- 『貧窮防止のための産業支援協会年次報告』
- 『ボストンノースエンド伝道報告』
- 『ボストンサウスエンド産業学校年次報告』
Selected Religion Manuscript Collections from the British Library(大英図書館所蔵宗教関係手稿コレクション)
◆各種協会関係資料
American Education Society(アメリカ教育協会 1815-1894)
年次報告書と事務局が受信した書簡を提供します。
American Home Missionary Society(アメリカ国内伝道協会資料集成 1827-1891)
Boston City Mission Society Records(ボストン市伝道協会記録集成 1820-1944)
年次報告書、理事会議事録、財務報告、会員リストなど、ボストン市伝道協会の活動を伝える資料を収録します。
Boston Seaman’s Friend Society Records(ボストン船友協会記録集成 1827-1961)
理事会や年次総会の記録、年報、記事の切抜きやチラシを集めたスクラップブックなどを収録します。その中でも注目すべきは協会が発行した定期刊行物Sea Breezeで、海難事故、水夫の反乱、新しい灯台建設等の海事関連ニュース、海事関連法の制定、協会から支援を受けた個々の船乗りに関するエピソードなど、ニューイングランド地方の船乗りに関する情報を提供する資料として、社会史的にも興味深い内容です。
Brook Farm Records(ブルック・ファーム記録 1842-1901)
ブルック・ファームは、ユニテリアン派牧師、ジョージ・リプリーによりマサチューセッツ、ウェスト・ロクスベリーに1841年に創設されたユートピア共同体です。超絶主義の影響を受けたブルック・ファームは当初経済的にも順調に運営されていましたが、フーリエ主義の影響を受け共同体を再編するようになると、財政的危機に陥り、最終的に破綻しました。ナサニエル・ホーソーンはブルック・ファームでの体験を下に『ブライズデイル・ロマンス』を書いています。理事会の議事録、会員が外部の友人や賛助会員を交わした書簡、売買、収支等を記録する会計原簿、会員リスト等を収録します。
Congregational Home Missionary Society Records(会衆派国内伝道協会記録集 1827-1916)
年次報告書、都市別宣教師リスト、改宗者や供給される牧師館に関する統計、財務情報など、国内伝道の実態を伝える資料を収録します。
Congregationalist Records, 1872-1906
Corban Society Records(コーバン協会記録集 1811-1850)
メアリー・バウアーズ、ドーカス・ホームズ、エリザベス・ハスキンズ、マーサ・コルホーンら、会費、寄付、縫物サークルの活動を通して、基金を調達したコーバン協会初期に活躍した女性たちの著作のほか、支援者や協会が支援した学生からの書簡、会員リスト、会議録など、協会の運営の実態を伝える資料を収録します。
Graham Society Records(グラハム協会記録集 1817-1831)
Papers of the Christian Faith Society(キリスト教信仰協会文書集 1800-1899)
Pine Street Church Records 1827-1907
Presbyterian Fund Board 1800-1899
Religious Union of Associationists Records(協同組合主義者の宗教連合の記録集 1847-1850)
事務局に保管されてきた会議議事録など、本団体の運営の実態を伝える様々な資料を収録します。
◆個人文書
Papers of the Prime Ministers of Great Britain: Selections from the Papers of William Ewart Gladstone(イギリス首相文書: グラッドストーン文書選集 1843-1898)
Catherine Brown Papers(キャサリン・ブラウン文書 1818-1824)
Charles Turner Torrey Collection(チャールズ・ターナー・トーリーコレクション 1837-1846)
チャールズ・ターナー・トーリーは奴隷制廃止運動に生涯を捧げた人物です。トーリーの書簡のほか、トーリーが残した様々な文書を収録します。
Papers of George Ripley(ジョージ・リプリー文書 1802-1880)
Caroline Wells Healey Dall Papers(キャロライン・ヒーリー・ドール文書 1811-1917)
Catharine Maria Sedgwick Papers(キャサリン・セジウィック文書 1798-1908)
セジウィックの日記や覚書のほか、家族や芸術家、宗教家、社会改革家と交わした書簡を収録します。
Theodore Parker Papers(セオドア・パーカー文書 1826-1865)
パーカーの書簡、ヨーロッパ旅行中の日記、備忘録を収録します。
William Ellery Channing Papers(ウィリアム・エラリー・チャニング文書 1791-1892)
チャニングが、ジェームズ・バーニーらと交わした書簡のほか、説教、講義、演説、日記、覚書を収録します。
Papers of John Ettwein(ジョン・エトワイン文書)
財務記録、書簡など、北米におけるモラヴィア兄弟団の伝道活動の実態を伝える資料集です。
Papers of C. J. Blomfield, 1828 – 1855(チャールズ・ジェームズ・ブロムフィールド文書)
チャールズ・ジェームズ・ブロムフィールドは、19世紀国教会が幾多の論争の渦中にあった時代、ロンドン主教を務めた人物です。ロンドン主教時代のブロムフィールドの書簡を収録します。これらの書簡は、産業革命による大きな社会的変動の下にあって、改革を唱える宗教家や社会改革家に対して、国教会の指導者がどのような見解を持ち、実践しようとしたのかを明らかにする貴重な資料です。
Papers of Guy Aldred, 1888-1963(ギー・アルフレッド文書)
アルフレッドが執筆したパンフレットや刊行した定期刊行物を収録します。少年時代、説教師として鳴らしたアルフレッドの著作は、19世紀イギリスにおいて福音主義と政治的急進主義が共棲関係にあったことを証言する格好の資料です。
Charles Bradlaugh Pamphlets(チャールズ・ブラッドローパンフレット集成)
ブラッドローが蒐集したパンフレット 287点を収録します。
Jeptha H. Wade Family Papers(ジェプサ・ウェイド家族文書)
◆定期刊行物
The National Reformer 1860-1892
アニー・ベザントを共同編集者として発行したNational Reformerは、自由思想の唱導に止まらず、アフリカでの戦争、議会での法律制定などを詳しく報じ、労働者階級の状況や市民的自由に関する社説、書評、世俗協会支部の会議録などを掲載し、新聞としての体裁を十分に兼ね備えたものでした。また、19世紀の合理主義的な聖書批評に基づく論説は同紙の看板記事として有名です。
The Christian Statesman 1867-1897
Christian Statesmanは、アメリカの改革長老教会に連なる教会関係者や学界関係者が運営する全米改革協会の機関紙として、フィラデルフィアで月2回発行されました。キリスト教婚姻法、安息日、禁酒、参政権、犯罪の防止と刑罰など、協会が関心をもつテーマに関する出来事を掲載しています。
Home Mission Monthly 1886-1924
United Methodist Church Periodicals
統一メソジスト協会定期刊行物集成 8タイトル
The Methodist 1860-1882
19世紀半ばメソジスト監督教会が奴隷制の問題を巡り南北に分裂した後、1860年にリチャード・クルークスとジョン・マッキントックにより創刊された、メソジスト教会の中でも保守的な傾向をもつ新聞です。明治期日本における布教活動など、日本関連の記事が多数収録します。
Unity with God Magazine, The Unity Magazine and Ladies Companion, The Christian Repository, 1853-1859
キリスト同胞教会は、ドイツ生まれのアメリカ人宣教師フィリップ・ウィリアム・オッターバインを主導者とするドイツ改革教会内部の敬虔主義派の系譜に属します。オハイオ州デイトンを拠点としたキリスト同胞教会の出版部から刊行されたThe Christian Repository,The Unity Magazine, Unity with God Magazineという3つの定期刊行物を収録します。
Voice, 1914–1922
Bulletino di Archaeologica Cristiana, 1863-1922
The Christian Express, Vol. 6-14 1876-1884
The Christian Expressは南アフリカ、ケープ植民地のラヴデール(Lovedale)のラヴデール・インスティテューション・プレスから発行されたキリスト教宣教師系の新聞です。
The Expository Times 1889-1926
Friends' Quarterly Examiner, 1867-1926
The Friend, 1843-1923
The Friendはイギリスキリスト友会(フレンド派)、いわゆるクウェーカーの福音主義派の機関紙として1843年にロンドンで創刊されました。死刑制度、刑務所改革から、西インド諸島における奴隷制度や徒弟制度、穀物法、工場法、禁酒法、公衆衛生改革、ボーア戦争まで、19世紀から20世紀にかけてのイギリス政治史の主要問題に積極的に関与したクウェーカー教徒の活動の実態を克明に伝えます。
Christliches Kunstblatt, 1859-1905(キリスト教芸術新聞)
Organ für Christlichen Kunst, 1857-1914(キリスト教芸術誌)
Revue de l'art Chretien, 1857-1914(キリスト教芸術誌)
Zeitschrift fur Christliches Kunst, 1888-1921(キリスト教芸術誌)