Nineteenth Century Collections Online: Women and Transnational Networks
19世紀史料集成(NCCO)第8部:女性と女性運動は、定期刊行物、書籍、手稿、日記、報告書、図版、写真など、広範囲にわたる一次資料を通して、参政権、女性教育、産児制限、文化、移民その他、多くの文脈で論争を巻き起こしたジェンダーと階級の問題に迫ります。ヨーロッパや北米だけでなく、日本を含む欧米以外の地域の実情も取り上げられています。
《収録コレクション》
◆History of Women(女性史コレクション)
本アーカイブの中核をなすコレクションです。ハーバード大学ラドクリフ研究所附属シュレシンジャ―図書館とスミス・カレッジ所蔵ソフィア・スミスコレクションは女性史資料所蔵機関としては全米の双璧と言われています。女性参政権運動、労働法、財産権、反奴隷制、女性教育、衣服改革、禁酒運動、宗教等の広範な問題が取り上げられ、女性史コレクションとしては質量とも屈指の規模を誇ります。
◆新聞[英語、仏語]
- Action Sociale De La Femme Et Le Livre Française
- Britannia: Official Organ of the Women’s Social and Political Union
女性参政権の獲得を目指して設立されたイギリスの戦闘的団体、女性社会・政治同盟の機関紙。 - Suffragist
アリス・ポールとルーシー・バーンズにより設立された女性参政権のための議会同盟の機関誌。 - Votes for Women
パンクハースト親子が依拠した雑誌。 - Woodull & Claflin's Weekly
ヴィクトリア・ウッドハルによって創刊されたウッドハル・クラフリン週刊新聞。
◆雑誌
- Life and Labor:The Journal of the American National Women’s Trade Union League(生活と労働:全米女性労働組合連盟雑誌)
女性労働者の労働条件の改善、組合への加入、女性教育の促進を目的として創設された全米女性労働組合連盟の公式機関誌。 - Our Corner
- The Reply
- The Woman Worker 1908-1910
◆手稿
- The Diaries of Elizabeth Fry, 1797-1845(エリザベス・フライの日記)
- Mary Braddon Archive(メアリー・ブラッドンアーカイブ)
扇情小説で有名なヴィクトリア朝のベストセラー作家ブラッドンのメロドラマの脚本、初期の詩、未刊行作品を含む小説のための執筆ノート、日記、家計簿、自身と家族の写真、自身と娘による素描、未刊行小説の草稿、短編小説、自伝的エセー。 - Myrtilla Miner Papers(マイアティラ・マイナー文書)
- Papers of Carrie Chapman Catt(キャリー・チャップマン・キャット文書)
アメリカの女性参政権運動の指導者、全米女性参政権協会会長、女性有権者同盟初代会長のキャリー・チャップマン・キャット(1859-1947)の文書。(書簡、論文、演説、写真、日記) - Papers of Elizabeth Cady Stanton(エリザベス・キャディ・スタントン)
アメリカの女性参政権運動の指導者、エリザベス・キャディ・スタントン(1815-1902)の文書(演説、書簡) - Quaker Women’s Diaries: 18th-19th Centuries(18世紀、19世紀女性クエーカー教徒の日記)
◆書籍
- British Birth Control Material at the British Library of Political and Economic Sciences: 1800-1947(LSE所蔵イギリス産児制限資料集:1800年-1947年: 212タイトル)
産児制限は20世紀になって初めて本格的に社会問題として認識されるようになりました。19世紀には、マルサスが警鐘を鳴らした人口問題から派生して多少言及されたに過ぎません。イギリスでは19世紀、空前の規模で人口が増加しますが、産児制限の社会問題としての認識は遅々として進みませんでした。その中にあって、1828年に刊行された『すべての女性のための本:あるいは、愛とは何か?(Every Woman's Book; or, What Is Love?)』は、労働者階級に向けて、あからさまに避妊を論じたパンフレットとして、貴重な例外です。しかし医学界は、女性の健康を害するとして避妊の問題には口を閉ざしました。医学の立場から避妊の問題が論じられたのは、『哲学の果実:あるいは、結婚した若い人々のための私的手引き(Fruits of Philosophy; or, The Private Companion of Young Married People)』という、19世紀前半に刊行されたアメリカの医者による本が復刊された1877年が嚆矢です。この本を復刊したチャールズ・ブラッドロー(Charles Bradlaugh)とアニー・ベサント(Annie Besant)の狙いは、出生率の制限と猥褻取締法への挑戦にありました。本書の出版のため、ブラッドローとベサントは告発されましたが、訴訟の過程が広まるにつれ、二人の思惑通り、『哲学の果実』は広く読まれるようになりました。ベサント自身も『人口の法則:人間の行動とモラルに対するその帰結と関係(The Law of Population: Its Consequences and Its Bearing upon Human Conduct and Morals)』を出版し、ベストセラーになります。翌年には、ロバート・オーウェンの息子、ロバート・デイル・オーウェンが人口の抑制を社会福祉の問題として論じた『道徳の生理学:人口問題に関する簡潔で平明な論考(Moral Physiology; or, A Brief and Plain Treatise on the Population Question)』を復刊した廉でロンドンの出版社が訴えられた裁判が、広い社会的関心を集めました。本コレクションは産児制限が社会的に受容される素地を作った出版物など、産児制限を歴史的にフォローする場合に不可欠の書籍を収録します。
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関連分野
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