Nineteenth Century UK Periodicals Part II: Empire
大英図書館の豊富な所蔵資料より、19世紀イギリスで発行された選りすぐりの雑誌をデジタル化するデータベース・シリーズの第2部は、イギリスの帝国主義・植民地主義とかかわりの深い91タイトルを収録します。
英国聖公会宣教教会、バプテスト教会、ロンドン伝道協会、信仰普及協会、福音普及協会、医療伝道会、スコットランド自由教会、アイルランド長老派教会、救世軍など、様々な団体の機関誌、東洋学、インド学、植物学、人類学の発展の拠点となった王立アジア協会、ロンドン人類学会等の学協会誌、探検・旅行誌など、大英帝国の存在を背景に生まれた雑誌を収録します。イギリスだけでなく、植民地で発行された雑誌をも含みます。
《ウェビナー録画*を見る》
※ 19世紀英国雑誌コレクションの他に、英挿絵誌『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』歴史アーカイブおよび 英諷刺誌『パンチ』歴史アーカイブ の3商品を紹介するウェビナーです。(約27分、字幕・チャプターあり、スライドはこちら)
《主な収録雑誌》
- Friend of India(1835-1900)バプテスト教会が発行。インド人に西洋の宗教、文学、芸術を教え、イギリス人にインドの歴史と文化を教えることを目的とした、自由主義系の雑誌。インドの風習、女児殺し、サティ(妻の殉死)に反対するキャンペーンを展開した。
- Home and Foreign Missionary Record for the Free Church of Scotland(1843-1900)スコットランド自由教会が発行。
- Missionary Magazine and Chronicle; relating chiefly to the missions of the London Missionary Society(1837-1900)ロンドン伝道協会の機関紙。
- Transactions of the Asiatic Society of Bengal(1800-1839)1784 年に設立されたベンガル・アジア協会の機関誌。イギリス東洋学の基礎を築いた。
- Transactions of the Royal Asiatic Society of Great Britain and Ireland(1827-1900)イギリスのみならずヨーロッパの東洋学を代表する学会、英国王立アジア協会の機関誌。
- The Botanical Magazine: or flower garden displayed(1801-1900) 紳士、淑女、園芸家に植物の科学的知識を提供することを目的として、植物学者ウィリアム・カーティスが創刊。
- The Geologist: A Popular Magazine of Geology(1858-1900)地質学協会が一般読者向けに発行した雑誌。
- Annual Report of the British & Foreign Aborigines' Protection Society(1838-1900)先住民保護協会は福音主義の立場から奴隷貿易に反対した人道主義団体。
- Anthropological Review(1863-1870)イギリス・アイルランド人類学協会の機関誌。人類学協会は現在の英国王立人類学協会の前身。
- Popular Magazine of Anthropology(1866)ジェームズ・ハントが創設したロンドン人類学会は、経験主義的で客観性を重んじる人類学研究を追求し、様々な学問的論争を展開した。
- Scottish Geographical Magazine(1885-1900)王立スコットランド地理学協会の機関誌。現在のScottish Geographical Journal の前身。
- The Tourist: a literary and anti-slavery journal under the superintendence of the agency of the anti-slavery society(1832-1833) 奴隷制廃止を掲げた大衆雑誌。読者を啓蒙しつつ、読者を楽しませることも忘れなかった。
- Calcutta Review(1844-1900)Oriental Observer(1827-1839)植民地の雑誌は、優れた作家が少なく、植民地のイギリス人がイギリス本国の作品を求めたことから、イギリス本国の作品を再版して出版した。カルカッタで発行された上記2誌は、インド生まれのイギリス人の文学作品を多数掲載した。
- Cape Monthly Magazine(1862-1883)多くの連載小説(無名作家から南アフリカ出身の白人作家など)を掲載。
- Australian Journal(1865-1900) 主に連載小説や詩作品を掲載した文芸誌。『レ・ミゼラブル』に匹敵すると評されるマーカス・クラークの小説”His Natural Life” は1870年に連載開始。
- Queensland Punch(1878-1893)イギリスのPunch を模倣してオーストラリアで発行された諷刺漫画誌。
- Literary Garland and British North American Magazine (1838-1841)アメリカに近く、アメリカの雑誌市場の影響を受けたカナダにあってカナダ独自の内容を追求した。スザンナ・ムーディやキャサリン・パー・トレイルらの作家が寄稿。