Women’s Studies Archive: Female Forerunners Worldwide
- Library Journal誌 Best Databases | Best Reference 2022
女性研究アーカイブの第4集、世界の女性先駆者たち(Female Forerunners Worldwide)では、欧米有数の研究機関や図書館が所蔵する定期刊行物や書籍、個人文書や団体文書をデジタル化し、社会改革、教育、宗教、医療、文学、大衆文化、実業の分野で先駆的な業績を残した女性が残した記録やこれらの女性に関する同時代の記録を通して、19世紀前半から20世紀末までの女性および女性運動の歴史にせまります。
女性参政権、刑務所改革、奴隷解放から産児制限、性教育、キリスト教布教、移民まで、様々な領域で活躍した女性の活動が記録されています。地域的にはイギリス、アメリカ、オーストラリアを中心に、カナダ、ジャマイカ、ドイツ、ノルウェー、ニュージーランド、南アフリカ、ザンビア、ナイジェリア、インド、中国、フィリピン等、世界の各地域が取り上げられています。原資料所蔵機関は英国国立公文書館、ロンドン市公文書館、ロンドン大学図書館、王立看護協会、米国議会図書館、スミソニアン学術協会、ニューヨーク公共図書館付属ションバーグ黒人文化研究センター、アミスタッド研究センター、ニューサウスウェールズ州立図書館です。
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収録コレクション一覧:
《アメリカ》
Papers of Mary McLeod Bethune, 1923-1942
メアリー・マクロード・ベシューンは貧窮の中から身を立て、同時代で最も有名な黒人指導者、最も有名な黒人女性となった公民権運動のパイオニアです。教育者としてはフロリダ州デイトナビーチのベシューン・クックマン・カレッジの創設に関わり、全米黒人女性評議会(National Council of Negro Women)の創設者、会長としては黒人女性組織の運動を牽引し、政界においてはフランクリン・ルーズベルト政権の連邦政府における数少ない黒人の一人として連邦政府の政策立案に関与しました。〈アミスタッド研究センター所蔵〉
Women's Joint Congressional Committee
教育、社会福祉、女性の権利の分野での法整備に関わった女性合同議会委員会の仕事に関する書簡、議事録、報告書、会員名簿、財務記録、刊行物等を収録します。扱われている主題は公民権、社会保障、女性・児童局、母子保健、教育局、学校給食計画、反リンチ法、コロンビア特別区地方自治法等、広範囲に及びます。傘下団体には全米消費者連盟、全米教育協会、全米ユダヤ人女性評議会が含まれます。〈米国議会図書館所蔵〉
Papers of Louise Chandler Moulton
詩人・作家・評論家のルイーズ・チャンドラー・モールトンが米国内やヨーロッパ諸国の著名人物から受け取った書簡や自筆の詩、英国詩人ウェストランド・マーストンと息子のフィリップ・バーク・マーストンの書簡を収録します。〈米国議会図書館所蔵〉
National Association of Colored Graduate Nurses Records, 1908-1951
全米有色正看護師協会は1908年、52人の看護師により創設されました。協会を率いた中心人物はフィラデルフィア女性病院看護学校を修了したマーサ・フランクリンです。組織の目的は看護師としての高度な職業スキルを習得し、黒人看護師に立ちはだかる差別をなくし、リーダーシップの能力を開発することにありました。〈ニューヨーク公共図書館付属ションバーグ黒人文化研究センター所蔵〉
Katz/Prince Collection, 1967-1973
ルーシー・テリー・プリンス(Lucy Terry Prince)は1730年にアフリカで生まれ、1821年に91歳で亡くなりました。5歳のとき、ロードアイランド州ニューポートで奴隷として売られて以来25年間、召使として働き続けました。1756年、ルーシーは元奴隷で兵士のアビジャー・プリンス(Abijah Prince)と結婚します。二人が初めて出会ったのは1746年でしたが、ルーシーを自由の身にするためのお金を稼ぐためにプリンスには10年の歳月が必要でした。ルーシーは生涯を通じて知性と決断の人として際立っていました。16歳のとき、先住民によるディアフィールド植民地住民の攻撃を記念するバラッドの作詩に手を染めたルーシーは、作品が現存する最古の黒人詩人と認められています。コレクションはルーシーの手稿と研究資料で、作家のバーナード・カッツとジョナサン・カッツ(Bernard and Jonathan Katz)がルーシーの伝記を執筆するための資料として蒐集したものです。ルーシー個人に関わる資料の他、18世紀ニューイングランド社会に関する資料も含まれています。〈ニューヨーク公共図書館付属ションバーグ黒人文化研究センター所蔵〉
Earl Conrad/Harriet Tubman Collection
歴史家・ジャーナリストのアール・コンラッドがハリエット・タブマンの生涯と活動を調べるために蒐集した資料群です。「地下鉄道」という組織で300人を超える奴隷の逃亡を助け、「黒人のモーゼ」と呼ばれたタブマンは、南北戦争では看護師、密偵、斥侯としても活躍しました。コレクションはコンラッドと情報提供者の往復書簡、研究覚書、タブマンの家族やタブマンを知る人々への取材記録等を収録します。〈ニューヨーク公共図書館付属ションバーグ黒人文化研究センター所蔵〉
Gwendolyn Bennett Papers, 1916-1981
グエンドリン・ベネットは、アフリカ系の詩人、エッセイスト、短編小説作家、教師、芸術家として、ハーレム・ルネサンスでは欠かすことのできない人物です。コレクションは1910年代から1940年代までのベネットの公私の生活全般を記録した文書群を収録します。〈ニューヨーク公共図書館付属ションバーグ黒人文化研究センター所蔵〉
Eusebia Cosme Papers, 1927-1973
ユーセビア・コスメ(ユーセビア・コスメ・アルマンザ Eusebia Cosme Almanza)はキューバで生まれ、渡米後、詩の朗読、舞台俳優、アフロ・アンティル系の詩の解釈、ラジオ番組のパーソナリティ等、多彩な分野で活動しました。コレクションは、書簡、契約書、詩、エッセイ、ラジオ番組のスクリプト、新聞や雑誌の切抜き、ポスター、写真等、コスメの活動に関する文書を収録します。〈ニューヨーク公共図書館付属ションバーグ黒人文化研究センター所蔵〉
Fredi Washington Papers, 1925-1979
フレディ・ワシントンはアフリカ系アメリカ人女優のパイオニアにして公民権活動家でもあり、ハーレム・ルネサンスにも関わりました。〈アミスタッド研究センター所蔵〉
Caroline Jones Collection
キャロライン・R・ジョーンズはニューヨークの多くの広告代理店に勤務した後、独立して代理店を創業したアフリカ系実業家のパイオニアです。ジョーンズはクライアントがマイノリティーの消費者に商品を宣伝するのを支援したことで有名です。コレクションはクライアント向けプレゼン資料、業務上の通信、覚書、市場調査、聞き取り調査、広告制作資料、広告、ジョーンズ自身の記事や講演、写真等を収録します。〈スミソニアン学術協会所蔵〉
Yale Divinity School Periodicals
イエール神学校の宣教関係コレクションは宣教団体の刊行物のコレクションとしては世界最大級のものです。本コレクションの定期刊行物は米国、スコットランド、ドイツ、インド、ノルウェー、イギリス、カナダ、中国における女性宣教師の活動に関するものです。〈イエール神学校所蔵〉
《イギリス》
Suffragettes, 1886-1935
英国国立公文書館が所蔵するサフラジェット(女性参政権運動家)を監視した政府の記録です。逮捕の記録、収監されたサフラジェットの記録、内閣の書簡、女性参政権運動に関する内務省文書や議会文書、強制摂食のようなサフラジェットの個人的体験の記録や演説の記録を収録します。〈英国国立公文書館所蔵〉
HM Prison Holloway Records from The National Archives
ホロウェイ刑務所は長く西欧最大の女性刑務所としてサフラジェット、ファシスト、革命家等、著名な受刑者を収容してきました。ホロウェイ刑務所に収容されたサフラジェットには、エメリン・パンクハースト(Emmeline Pankhurst)、クリスタベル・パンクハースト(Christabel Pankhurst)、エミリー・デイヴィソン(Emily Davison)等がいます。本コレクションは刑務所の運営に関する内務省、財務委員会、刑務所委員会の記録、受刑者の犯罪歴、刑期を記録する文書を収録します。19世紀や20世紀初頭において政府の機関を介してしか後世にその記録が伝わることがなかった労働者階級の女性の生涯を記録する貴重な歴史資料です。〈英国国立公文書館所蔵〉
HM Prison Holloway Records from the London Metropolitan Archives
ホロウェイ刑務所はシティーの懲治監としてロンドン自治法人により1852年に創設され、1877年に市政府に移管されました。当初は男女を対象としていたのが、1903年には女性のみを対象とする刑務所となりました。ホロウェイ刑務所に収監された人物には、パンクハースト親子等、著名なサフラジェット、ダイアン・ミトフォード(Dian Mitford)等のファシストやナチシンパ、イースター蜂起で検挙された人々がいます。イーディス・トムソン(Edith Thompson)、アメリア・サック(Amelia Sach)、アニー・ウォルターズ(Annie Walters)等の殺人犯が処刑されたのもホロウェイ刑務所です。コレクションは刑務所の運営、医療、所員に関する記録、収監者の雇用に関する文書、刑務所や所員の写真等を収録します。〈ロンドン市公文書館所蔵〉
Historical Nursing Journals
病院、医者、看護師、患者、医薬品、疾病、治療、医療機器等、看護に関わる様々な主題を扱う雑誌を収録します。記事、ニュースレター、訃報の他、多数の写真も収録されています。広告は、特許薬、小児用医薬品、制服、医療の歴史に関する貴重な情報を提供します。〈王立看護協会所蔵〉
Ida Holden Papers
『ミラー』の元従業員アイダ・ホールデンは超心理学に関心を持ち、退職後思考伝達に関する文書を残しました。〈ロンドン大学図書館所蔵〉
Edinburgh Seances
1930年代にエジンバラに在住していたエメリン・ヴァイナー(Emmeline Vyner)は死後の生を固く信じていました。ヴァイナーの文書は心霊術の集会、カード占いの記録を収録します。〈ロンドン大学図書館所蔵〉
Caroline Augusta Foley Rhys-Davids Papers
キャロライン・リース=デイヴィッズは第一次大戦で一人息子を亡くしてから、心霊術やテレパシーに関心を持つようになり、この主題に関する本を出版しました。コレクションは日記、自動筆記や死後の生に関する覚書からなるノート、仏教神話に関する学術研究、1937年に刊行された論文「あなたの意思は何か」の草稿等を収録します。〈ロンドン大学図書館所蔵〉
Diaries about Spiritualism and Other Topics
心霊術に関心を持ったアン・ラッシュアウト(Anne Rushout)が残した日記を収録します。〈ロンドン大学図書館所蔵〉
《オーストラリア》
Hidden Treasures of the Mitchell Library: Sydney Periodicals, 1886-2016
ニューサウスウェールズ州立図書館(ミッチェル図書館)が所蔵する女性誌を提供します。〈ニューサウスウェールズ州立図書館所蔵〉
Australian and New Zealand Women's Organisations, 1835-2002
オーストラリアとニュージーランドの女性団体に関する資料集です。オーストラリアへの移民推進、実業・職業クラブ、キリスト教宣教活動、宗教評議会、YWCA、女性や児童のための保健協会、政治団体、女性権利団体等を記録します。〈ニューサウスウェールズ州立図書館所蔵〉
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