Punch Historical Archive, 1841-1992
イギリスの諷刺漫画誌の代名詞的存在、『パンチ』の1841年創刊から1992年の最終号まで、全記事がご利用いただけます。
19世紀イギリスでは多くの諷刺漫画誌が創刊されますが、『パンチ』ほどの長命を得た雑誌は他にありません。当代一流の挿絵画家、作家を起用したこと、時代のテイストを鋭敏に掴んだ有能な編集長がいたこと、通常の雑誌のほか毎年合本やパンチ暦を発行することで読者への浸透を図ったこと、初期の「シャツの歌」に代表されるヒット作が多かったこと、手頃な値段で提供したことが、長く刊行された理由として挙げられますが、何よりも、諷刺の矢を放つ場合でもイギリスのミドルクラスのモラルを踏み外すことがなかったことが挙げられます。
イギリス文化をこれほど体現する刊行物は他になく、研究用資料としてはもちろん、イギリス文化理解の比類のない資料として、その教育的効用は計り知れません。
『パンチ』の多くの記事は発行当初、匿名(あるいはペンネームかイニシャル)で発表されたため、記事の原本を見ても著者名が判別できないケースが多くあります。今回デジタル化に当たり、小社はリヴァプール・ジョン・ムアーズ大学(Liverpool John Moores University)との提携の下、『パンチ』編集部に保管される寄稿者台帳を基に著者名を明らかにし、メタデータに付与することによって、著者名での検索を可能にしました。
また、毎週発行された号に加えて、「何年前の今日」や社会風俗に関する寸言を配し、挿絵を盛り込んだパンチ暦(アルマナック)、年刊合本用の序文や索引、特別号も搭載されています。
《関連エッセイ》
「不滅の雑誌:19世紀の『パンチ』小史」パトリック・リアリー(日本語訳)
「世相を映す合わせ鏡:『パンチ』と『タイムズ』」ゲーリー・サイモンズ(日本語訳)
《ウェビナー録画*を見る》
※ 『パンチ』歴史アーカイブの他に、英挿絵誌『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』歴史アーカイブ 、19世紀英国雑誌コレクションの3商品を紹介するウェビナーです。(約27分、字幕・チャプターあり、スライドはこちら)