The Independent Historical Archive, 1986–2016
20世紀後半に創刊され、その名の通り独立した報道姿勢・個性的な紙面づくりで魅了し続けるイギリスの高級紙『インディペンデント』の1986年の創刊から2016年の紙版廃刊までを収録するデータベースです。1990 年創刊の日曜版『インディペンデント・オン・サンデー』もあわせて収録します。
1986年、最新技術の導入を頑なに拒みつづけるイギリスの印刷業組合に業を煮やした『タイムズ』社主のルパート・マードックは、その新聞製作拠点を一夜にしてフリート・ストリートからロンドン東部のワッピングへ強行移転しました。これを皮切りに起こった「ワッピング革命」と呼ばれる新聞業界の大きな変革の中で生まれた新たな新聞が『インディペンデント』紙です。
創業者は『テレグラフ』の元記者。その旧態依然とした編集方針に不満を感じていた3人の記者が創刊した『インディペンデント』には、『タイムズ』など伝統的な高級紙を飛び出した記者が集まり、新たな高級紙を世に送り出すべく、1986年に歩み始めました。
新しい高級紙として『インディペンデント』はこれまでの高級紙との差異化を図りますが、その一つが、紙名にもある「独立・独歩」の意味を編集方針の中で問い続けたことです。そのスタンスは、特定政党に拠らない選挙報道をはじめ、地球環境問題、移民、麻薬合法化等、特定テーマに関するキャンペーン報道、個性的・挑発的な紙面デザインなどに現れ、若い読者層を中心に熱烈に支持されました。
娯楽面でも1990年代に人気コラムとして始まった「ブリジット・ジョーンズの日記」が小説化、映画化され大ヒットを記録、2004年には他の高級紙に先駆けて紙面をタブロイド判に縮小、2016年には印刷版をやめて電子のみに移行するなど、「インディー」は常に時代の先端をゆく姿勢で魅了し続けます。
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※『インディペンデント』の他、『タイムズ』、『テレグラフ』、『デイリー・メール』、『ミラー』、経済紙『フィナンシャル・タイムズ』、パリ発行の英字紙『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』の計7紙それぞれの特色と違いをご紹介します。(約40分・字幕・チャプターあり、スライドはこちら)
お客様の声
「タイムズ神話が崩壊してゆく中で、タイムズに替わる高級紙になるべく発行されたのがインディペンデントです」
鈴木 雄雅 先生(上智大学)
- 小社刊「In the Words of Users:Gale ユーザーインタビュー集」より, 2014
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