Political Extremism and Radicalism: Global Communist and Socialist Movements
政治的急進主義シリーズの第3集は、資本主義国における急進主義としての共産主義・社会主義運動に焦点を当てます。
大英図書館、ロンドン大学、カリフォルニア大学デイビス校、イェール大学、ニューヨーク大学、ハーバード・ロースクール、FBI等の図書館・文書館が所蔵する約86万ページにおよぶ社会主義・共産主義関係の文書群を収録、主にアメリカとイギリスで社会主義、共産主義運動を推進した団体と個人の活動、およびそれらを監視し取締った当局、反社会主義運動等の文書を通して、20世紀に大きな政治潮流を形成した共産主義・社会主義運動に光を当てます。
対象期間は18世紀後半から21世紀初頭までの約250年間をカバーしますが、1880年頃から1950年頃までの時期の文書がコアをなします。
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《収録コレクション:英国・南アフリカ・南米・東欧》
ロンドン大学図書館コモンウェルス研究所・ラテンアメリカ研究所所蔵コレクション【Senate House Library, University of London Collections】
・ページ数: 約118,000ページ
・期 間:1900年~2012年
ロンドン大学図書館(Senate House Library)の内部に設置されているコモンウェルス研究所(Institute of Commonwealth Studies)とラテンアメリカ研究所(Institute of Latin American Studies)が所蔵するイギリス、ハンガリー、南アフリカ、チリ、ボリビアの左翼思想・運動に関する文書群です。トロツキスト系団体や個人の文書が中心です。
- Al Richardson and Jim Higgins Papers-アル・リチャードソンはイギリスの歴史家、ジム・ヒギンズはイギリスのジャーナリストでともにトロツキスト系社会主義活動家。
- Radical Periodicals-左翼系急進雑誌集
- Chile and Bolivia: Political Pamphlets-チリおよびボリビアの政治パンフレット集
- Baruch Hirson Papers-バルーク・ハーソンは南アフリカの反アパルトヘイト活動家
- Will Fancy Papers-ウィリアム・ファンシーはイギリスの労働組合活動家。主にトロツキスト系団体の文書を含む
- Pelling Collection-イギリス労働党史の歴史家として著名なヘンリー・ペリングが蒐集したイギリス左翼政治パンフレット集
- Alan Clinton Papers-アラン・クリントンはイギリスの歴史家で、労働者社会主義連盟等、トロツキスト系団体と関わりを持った。
- Balázs Nagy Papers-バラーシュ・ナジはハンガリー出身のトロツキスト。ハンガリー動乱や東欧におけるトロツキズムに関する文書等を含む
- Stephen Graham Collections
- Workers’ Party of South Africa-南アフリカのトロツキスト系団体、南アフリカ労働党の文書
《収録予定のコレクション:アメリカ》
急進左翼政治運動と社会問題:米国の旧左翼【Radical Left Political Movements and Social Issues: American Old Left】
・所蔵機関: カリフォルニア大学デイビス校
・ページ数: 約27万ページ
・期 間: 1800年~1950年
19世紀から20世紀にかけて展開された左翼の政治、社会、文化運動を記録する書籍、パンフレット、短命出版物を収録します。社会主義、共産主義、アナーキズム、反戦運動、平和運動、学生運動、第三世界の解放運動、反グローバリズム運動等をカバーします。
ローズ・パスター・ストークス文書【Rose Pastor Stokes Papers】
・所蔵機関: イェール大学
・ページ数: 約7,600ページ
・期 間: 1900年~1958年
アメリカ共産党の創設メンバーの一人で、労働者と女性の地位改善に生涯を捧げたローズ・パスター・ストークスの書簡、著述(刊行・未刊行)、新聞切り抜き、描画等を収録します。
アンナ・ストランスキー・ウォーリング文書【Anna Strunsky Walling Papers】
・所蔵機関: イェール大学
・ページ数: 約24,300ページ
・期 間: 1871年~1964年
アメリカの社会主義者アンナ・ストランスキー・ウォーリングの書簡を中心とする文書を収録します。
ウォルター・リップマン文書【Papers of Walter Lippmann】
・所蔵機関: イェール大学
・ページ数: 約210,400ページ
・期 間: 1906年~1974年
米国のジャーナリストで政治評論家ウォルター・リップマンがハーバード大学の学生時代から1974年に逝去するまでの約70年間に亘る文書を収録します。
アルジャー・ヒス弁護関係文書【Alger Hiss Defense Collection】
・所蔵機関: ハーバード・ロースクール図書館
・ページ数: 約70,000ページ
・期 間: 1922年~1980年
国務省幹部として第二次大戦中に戦後安全保障体制の設計に携わったアルジャー・ヒスは、戦後の赤狩りの時代にスパイ容疑で告発されました。本コレクションは裁判で弁護側がヒスの無罪を立証するために集めた書簡、覚書、報告書、聞き取り調査等の文書群を中心とするもので、裁判の全体像と事件の背景を探る上で格好の文書群です。ヒスとその家族、友人、同僚、告発者、支持者、証人、弁護士に関する人物ファイルも収録されています。
アルジャー・ヒス文書【Alger Hiss Collection】
・所蔵機関: ニューヨーク大学
・ページ数: 約26,700ページ
・期 間: 1892年~2004年
ニューヨーク大学タミネント図書館が所蔵するアルジャー・ヒス関係文書で、ヒス家文書、ジョン・ローウェンサール文書、アグニース・ネルムス・ホーリー文書、ウィリアム・A・ルーベン文書の4つの文書で構成されています。ヒスと家族の発信書簡・受信書簡、面談記録、法律文書、覚書等の文書群を収録し、ヒスの生涯と再審請求のための闘いに光を当てます。ハーバード・ロースクール図書館所蔵の「アルジャー・ヒス弁護関係文書」との収録文書の重複はありません。
FBI米国在郷軍人会連絡員計画文書集【FBI American Legion Contact Program】
・所蔵機関: FBI
・ページ数: 約1,300ページ
・期 間: 1940年~1942年
米国在郷軍人会と協力して共産主義者やシンパの活動に関する情報を収集した連邦捜査局(FBI)連絡員計画に関する文書です。
FBI ロバート・オッペンハイマー文書【FBI File on J. Robert Oppenheimer】
・所蔵機関:FBI
・ページ数: 約7,300ページ
・期 間: 1940年~1959年
米国の理論物理学者で、第二次大戦中ロスアラモス研究所所長として原子爆弾製造計画(マンハッタン計画)を主導したことにより「原爆の父」と呼ばれるロバート・オッペンハイマーは、戦後は一転して、原子力委員会一般諮問委員会の委員長として水素爆弾製造計画に反対し、核兵器の国際管理の必要を訴えました。その姿勢に加えて、以前に共産主義者と関わりを持っていたことがぶり返され、赤狩りの時代に公職追放となり、FBIの監視下に置かれました。電話の盗聴記録、開封書簡、同僚や知人の尋問記録で構成される文書群はオッペンハイマー個人と1940年代から1950年代にかけての米国の知識人・科学者の世界に光を当てます。
《収録予定のコレクション:イギリス》
イギリスにおける反社会主義団体雑誌集【Anti-Socialist Organisations in Britain, Anti-Socialist Journals】
・所蔵機関:大英図書館
・ページ数: 約30,400ページ
・期 間: 1870年~1914年
19世紀後半から20世紀初頭にかけてのイギリスで反社会主義を旗印に掲げて発行された雑誌を収録します。リバータリアニズムから急進左翼まで、様々な観点からの社会主義批判の潮流に光を当てます。
《収録予定の雑誌》
- The Journal of the Vigilance Association for the Defence of Personal Rights (1881–1886)
- The Personal Rights Journal (1886–1892)
- Personal Rights: A Monthly Journal of Freedom and Justice (1893–1903)
- The Individualist: A Monthly Journal of Personal Rights (1903–1914)
- The Liberty Review: A Weekly Journal Devoted to the Defence of Freedom and of the Right of Property (1893–1894)
- The Liberty Review: Property Owners; Guardian and Free Labour Advocate (1895–1895)
- The Liberty Review: A Journal of Politics, Economics, Sociology and Individualism (1895–1909)
- Jus: A Weekly Organ of Individualism (1887–1888)
- Capital and Labour: A Weekly Journal of Facts and Arguments on Questions Relating to Employers and Employed (1873–1882)
- The Anti-Socialist: A Newspaper and Review of Politics, Events and Literature (1909–1910)
- Liberty: The Organ of the Anti-Socialist Union of Great Britain (1911–1912)
- Free Labour: A Monthly Journal Devoted to the Emancipation of Industry as a Voluntary Right (1896–1897)
- Free Labour: Ashore and Afloat (1897–1899)
- The Free Labour Press and Industrial Review (1899–1909)
- The Elector: The Official Organ of the Centre Party Union and the Middle-Class Defence Organisation (1909–1911)
独立労働党アーカイブ【Archives of the Independent Labour Party】
・所蔵機関:独立労働出版
・ページ数: 約103,500ページ
・期 間: 1856年~1975年
自由党が労働者階級の候補者の後援に後ろ向きである状況の中、独立労働党が1893年に結党しました。パンフレット、チラシ、議事録、全国運営評議会や支部の記録、フランシス・ジョンソンの書簡を収録します。
1884年以降のイギリスにおける社会主義と労働思想【Socialist and Labour Thought in Britain Since 1884】
・ページ数: 約29,200ページ
・期 間: 1884年~1945年
全国禁酒連盟、土地国有化協会、キリスト教社会連合、人道主義連盟、グラスゴー労働組合評議会、労働の預言者、女性解放連合、友愛トラスト(Brotherhood Trust)、コモンウィール、メトロポリタン急進連盟、連合王国労働組合連合、クラリオン、社会主義連盟、ダンディー労働教会、ハマースミス社会主義協会、嫡子化連盟(Legitimation League)等、19世紀末から20世紀前半のイギリスにおける社会主義、急進主義、労働運動をカバーします。
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関連分野
- アメリカ史
- イギリス研究
- 歴史学
- 政治学・外交研究
- 20世紀研究
- 社会史